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ステラーとはロシア連邦の所有するベーリング島という場所で棲息していると考えられている実在した水棲生物である。別名「ステラーカイギュウ」や「悲劇のカイギュウ」とも呼ばれている。ステラーは現在ではジュゴンやマナティの2種類しか残っていない海牛の仲間で、体長はおよそ7mから10mと巨大で体重も5トンから10トンほどあったと言われている。現在生き残っている2種類の海牛であるジュゴンとマナティはどちらも全長約3mから5mほどだと言うことからステラーはかなり大型の海牛であったことが明らかにされていて、その巨体ゆえに食物連鎖の上位に位置するので天敵などがいなかったのではないかと考えられている。その証拠として、生息が初めて確認された1940年代では調査に向かった研究者らを警戒する様子もなく、人間のすぐそばでものんびりとしていたという報告もあがっている。
このステラーの毛皮は当時高値で取引されていたと言われている。その為、ステラーの毛皮を得るために人間によるステラー大量虐殺が行われたのである。人間を警戒しないことに加えて仲間を守る傾向にあるステラーの数はもの凄い勢いで減少し、約27年後の1968年には一匹残らず駆りつくされてしまったと考えられている。この事実から、ステラーには「悲劇のカイギュウ」という別名がつけられたとされている。
しかし、絶滅したと考えられているステラーの目撃情報が、1968年以降も少数ではあるが報告されている。また、ステラーの骨などが比較的劣化が少ない状態で見つかっていることからも、今でもどこかで棲息しているのではないかと言う推測を後押ししている。
現代において、ジュゴンやマナティ以外の海牛類の生物を目撃する人はステラーの背景を知らないことがほとんどである為、未確認生物だと勘違いすることが多い。これが、ステラーがUMAとして知られた理由だと多くの研究者は主張しているとされている。しかし、実際に過去に生息が確認されていたステラーも今では有力な目撃情報などのその存在を証明する証拠が少なく、やはり絶滅したのではないかと言う説がもっとも有力視されている。