モーガワーはイギリス本島南西部のコーンウォール半島沿岸で目撃されている未確認生物だ。
モーガワーとはコーンウォール州の言語で、「海の巨人」を意味する。
コーンウォールと隣接するデヴォンでは何世紀にもわたり巨大なタコやウミヘビなど、海の怪物伝説が語り伝えられてきた。モーガワーはその一つだ。特に目撃情報が多いドーバー海峡に面したファルマス湾沖に住処があると考えられている。
目撃情報からウミヘビの一種と推測されている。撮影された写真からプレシオサウルスのような恐竜の生き残りとする意見がある一方で、でっちあげや他の生物と見間違えたとする反論も根強い。
記録に残るモーガワーの最も古い記録は1876年である。4月26日の「ローヤル・コンウォール・ガゼット」紙に、漁師が生きたウミヘビをゲランス湾で捕獲した記事が掲載された。ゲランス湾はファルマス湾の東に位置している。ウミヘビは海岸で見世物になったのちに殺され海に捨てられた。
20世紀に入ってから数年おきに地元民や旅行者、旅客船の乗組員によって目撃されている。それらの記録によると長さが6m余り、身体の色は青味がかった灰色もしくは光沢のある黒、頭は牛のようで四本の足があったという。
1970年には3人のダイバーが水深24mで不思議な泣き声を聞いている。76年3月にはマリー・Fという人物が撮影したモーガワーの写真2枚が地元紙に掲載された。不鮮明な写真で、海面から身体をのぞかせヘビのような頭をもたげた姿が写っており、ネッシーとよく似ている。
3月下旬にモンスター・ハンターとして知られたニューメキシコ大学のマイケル・マコーミック教授が、モーガワー捕獲のためアメリカからファルマスにやってきた。調査には地元のトニー・ドック・シールズが加わり、目撃情報を集めている。美術学校出のシールズは1960年代にアートパフォーマンスを行っており、1970年からは父親や祖父から教わったマジック・ショーを“ドック”シールズの名で興行していた。
1976年はモーガワーの目撃情報がとりわけ多く、BBCテレビや新聞、雑誌で取り上げられた。シールズは同じ年にマウマン村で目撃されたフクロウ男を調査し、モーガワーの調査結果と合わせてパンフレットにまとめ地元に配布している。これを契機にシールズは超常現象研究家として知られるようになった。
1985年7月10日、地元の作家セリア・バードがメルボルン大学の地形学者である弟、それに二人の通行人とともにモーガワーを目撃した。
1991年、雑誌『ストレンジ』にシールズが1976年に録音したテープの内容が掲載された。それはモーガワーをでっちあげと疑う人々に対しての回答だ。シールズは1976年の目撃のいくつかは自分が知り合いの猟師としくんだものと白状した。そして、モーガワーの人気が出来るだけ続いて、人々の関心が盛り上がるように考えていたと述べている。
その後も目撃は続き1999年にはダイバーが水中で未知の生物をビデオで撮影したと主張している。
シールズのでっちあげ発言にもかかわらず、研究者は彼がモーガワーに関わる以前から目撃情報があり、現在も続いていることを挙げ、1985年のセリア・バードの例は、弟がモーガワーの予備知識がなしに目撃していることなどから信頼にたるとしている。
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