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カナダのケベック州にあるメンフレメーゴグ湖の怪物。
メンフレメーゴグ湖は北米大陸東部に位置する長さ50kmの細長い湖だ。大半はカナダ領だが湖の四分の一に当る南部はアメリカのヴァーモント州にまたがっており、北岸にマーゴグ市が南岸にはニューポート市がある。
メンフレはウミヘビのような怪物といわれ、身体は細く首が長い。色は褐色か黒で四本のヒレを持つ。体長は6mあるいは25mと幅があり、これは水面から身体の一部が見えた際の目撃状況の違いと考えられている。
怪物の存在は原住民のアベナキ族の間で語り伝えられていた。白人がこの地に入植したとき原住民はウミヘビを恐れて泳ぎや釣りをしなかったという。
湖の近くにある山にはバイキングの石碑が見つかっており、それには竜が描かれている。一般的に新大陸を発見したのはコロンブスが最初とされているが、それ以前にバイキングがアメリカに到達していたことは昔から伝承で知られていた。20世紀中に遺跡の発掘や全米で同じような石碑が見つかり、現在では定説になりつつある。
白人がメンフレを最初に目撃したのは1816年だ。入植者の夫婦の報告によると、頭は毛を刈った羊のような形で10本以上の対になった足があった。これはのちの目撃情報で語られる姿とは大きく異なっている。
19世紀以降、毎年のように目撃情報があり、これまでに200件以上の記録が確認されている。
1961年には2人の漁師が、1996年には一度に4人が目撃し、いずれも体長が約6mと記録されており、96年の目撃では水面から3つのコブのような盛り上がりが確認された。
1997年8月12日には水面を漂うメンフレと思われる物体がビデオで撮影されている。
2000年5月5日には、湖の岸に住む老夫婦が波を立てながら泳ぐ姿を自宅から双眼鏡で、6月4日には岸近くに停泊していた船の前を泳ぐ姿が別の住民によって目撃された。雄牛のような頭とシッポがあり、全長は約25mだったという。
現在のところ最後の目撃情報は2000年5月18日で、船で釣りをしていた住民が水面に何か光るものを目にした。それはクジラのような姿をしていたが、頭やシッポが認められなかった。釣り人が近づくとその物体は潜って姿を消した。長さは9mほどで動きはとても遅かったという。
メンフレの名はドラゴン研究家として知られた、郷土史家でダイバーのジャック・ボイスバートが付けたものだ。ボイスバートはメンフレのエキスパートで、1980年代の初めから2006年に亡くなるまで探索と研究を行い、過去の目撃情報を収集している。彼は自ら創設に携わったニューポート・メンフレマーゴグ歴史協会の代表バーバラ・マロイと共に研究成果をまとめている。
正体については波や光の反射を見間違えたとする意見もあるが、未確認生物研究家の間では未知の魚かウミヘビ、あるいはクジラの一種かプレシオサウルスのような生物と考えられている。
2011年、カナダ造幣局はメンフレのカラーイラストをあしらった25セントの記念硬貨を発行した。他にもドラゴンや恐竜、サスカッチなどの未確認生物を図案にした記念硬貨が作られている。
なお、メンフレメーゴグ湖は同じ水棲の未確認生物イッシーで知られる鹿児島県指宿市の池田湖と、1997年7月23日に姉妹湖の縁組を結んでいる。