生息地:日本列島各地
大きさ:約2~4メートル
特徴:頭に角、鋭い牙、全身が赤や青色の姿、変身能力をもつ
正体:妖怪、幽界の生物、霊魂が化けた者、山人・金鉱技術者、渡来人
「桃太朗」でおなじみの日本古来の妖怪であり、恐ろしい「悪の消長」として日本人の心にしみついているのが鬼の存在であろう。
神話や伝説の域を出て、「鬼の正体は何か」を考察すると、類人猿や山人の可能性も高いという。オランウータンなどの類人猿説、先住民や渡来人が山に追いやられて山人となったとする説がそれで、他に古墳の墳道から出た地底の幽鬼説などもある。
しかし、本当にあの姿の鬼が実在していたと思わせる、鬼の手形石や足跡、三面相の鬼の頭や鬼の子供、そして全身のミイラも存在しているのだ。
大分県宇佐市宝山の大剰院が所蔵するミイラは、全長2.2メートルの大きな体を折るように膝を抱え、両手足の指は3本ずつ。くぼんだ大きな目と開いた口は何かを訴えているような表情である。この土地に多く住んでいた山人の神として崇められていた鬼神だといわれている。
実物は太平洋戦争の空襲で焼失してしまったが、愛知県犬山市の桃太郎神社には鬼の写真がある。こちらも巨大で全長3.6メートル、手足の四肢すべての指が3本だ。
平安時代には、京都の大江山に実在の武将である源頼光らが人肉を食らう鬼王・酒呑童子の退治に行き、見事に征伐した有名な逸話も残る。
なりを潜めているだけで、今も鬼はどこかにいるのかもしれない。
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