アメリカ、アリゾナ州東部のモガヨン・リムで目撃されている未確認生物だ。
ビッグフットの一種と考えられているが、独自の生態が報告されている。
モガヨン・リムはコロラド高地の南端部の名称で、320kmに及ぶ傾斜地に森林が広がる広大な地域だ。
モンスターの特徴は身長が約210cm、大きな赤い目をして身体は黒または赤みがかった褐色の毛で覆われている。魚が腐ったような鼻につく悪臭がする。夜行性だが冬場は早朝に目撃例が多い。
縄張り意識が強く、攻撃的といわれる。また、松の葉で巣を作り、時にキャンプ場あさりをする。物陰から石を投げてくるといわれる。鹿など採った獲物の首を引きちぎる。
雑食で獲物を狙う時は物音や気配を隠し、獣を襲うと女性の断末魔のような叫び声を上げるのが特徴だ。
最も古い目撃記録は、1903年にフェニックスの日刊紙「アリゾナ・リパブリック」に掲載された記事である。白人の開拓者がグランド・キャニオン近くで目撃している。その時の姿は膝まで届く長い毛をして、指には5cmほど長いカギ状の爪が伸びていた。そして二匹のピューマから地を飲んでいたと記録されている。
未確認生物研究家のドン・デイヴィスは、1947年にボーイ・スカウトの旅行でこの地を訪れた際に目撃している。デイヴィスによると上半身がとてもがっしりしており、特に上腕部は太さが15cm以上もあった。顔は顎の線が平らで全体が四角く箱のような形をしていた。
地元ではモガヨン・モンスターに関する様々な噂話が流布されており、キャンプの語り草になっている。
その一つは、ある開拓者がログハウスで顔を引き裂かれて、木に吊るされた。怪物は次の獲物を狙っているという話。別の言い伝えでは、先住民に襲撃された開拓者が逃げ延びたものの、悪霊に呪われて頭がおかしくなった。また、原住民の女を殺した白人が罰として木に張り付けになり、生きたまま皮を剥がれた。その白人の幽霊は森をさまよい「スキン・ウォーカー」と呼ばれる怪物になった。
モガヨン・リムのあるアリゾナにはホワイト・アパッチ族の居留地がある。彼らにとってモガヨン・モンスターは古くからなじみのある存在だが、その話をよそ者にはあまり語りたがらない。
生物学者はモガヨン・モンスターを神話にすぎないとして存在を否定している。
そして古い時代の目撃は1930年代までアリゾナの森に生息していた、大型のクマであるグリズリーで説明できる。最近の例はクーガーかエルク(アメリカ・アカシカ)の見間違いだろうと推測している。
実際にモンスターの足跡の写真や足型、毛のサンプルが採取されているものの存在を示す決定的な証拠は見つかっていない。
アメリカの未確認生物の目撃情報を募っているwebサイト「クリプトズーロジー(未確認動物)・ニュース」で2014年1月1日の記事に、ごく最近モガヨン・リムでハイキングをしていた女性旅行者の目撃レポートが掲載されている。
彼女は水溜りで水を飲んでいるトロール(妖精)のような生物を目撃した。デジタルカメラをリュックサックから取り出そうとしたら、その生物は気づいたのか顔を上げて見つめてきた。そして彼女が怖気づいている間にいなくなった。顔は人間のようだったが、鼻がとても大きかったという。
モガヨン・モンスターは半ば伝説化した存在で知名度も高く、毎年9月に「モガヨン・モンスター100トライアル・レース」という、全行程170kmのトレイルランニングが開催されている。
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