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チャイニーズ・ネッシー(テンシー)

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"中国と北朝鮮の国境近くにある白頭山、2700mを超えるその高山のちょうど山頂付近にある天池 (ティエンチー) に、チャイニーズ・ネッシー(テンシー)と呼ばれる謎の巨大水棲生物が潜んでいるという。天池は中国の観光地として栄えている湖だけに、中国内のみならず海外メディアでも非常に話題になっているUMAである。チャイニーズ・ネッシーは体長3~10mくらいで、牛や馬もしくは犬のような顔を持ち、その頭部からは角が生えていると言われ、首から下はワニに似た胴体を併せ持つという話が古くから語り継がれている。

このUMAの目を引く点はその圧倒的目撃情報の多さと、それに反する形体の情報の不確かさである。前述のように観光地でもあるため、直近では2003年、古くは1900年代前半からのべ1000人近い目撃情報があるらしいのだが、どれもその姿や形などの特徴は余り一致していない。そのためその正体もコイ科の巨大魚ソウギョ説から、ネッシーと同じプレシオサウルス説、周辺の森林から熊や牛などの大型動物が水浴びに来たのを見間違えたという説など様々な推測が入り乱れている。

最も新しい2003年の目撃情報によると、同年7月中国吉林省の職員と国境警備隊の隊員がチャイニーズ・ネッシーと思われる大きな黒い物体が湖面を複数の群れをなして泳いでいる姿を確認。1時間近くその姿を見ることができたというが、水の中にいるようで詳しい形状はよく確認できなかったという。それからほどなく同年10月今度もまた国境警備隊員が、再び天地に姿を現したチャイニーズ・ネッシーを発見。当時そこには観光客が40人ほどもおり、隊員がそのことを知らせ全員でその光景を目撃するという体験をしている。そこでもやはり詳しい形体は見てとれなかったとされ、いずれも黒い物体が水中を蠢いていたと話している。一方、その大きさに関しては皆一致しており、おおよそ3~4mほどの体長があったという。

中国では一番有名なUMAのなかの一体であるため研究者は多く、活発な議論がされているが、中でも最大のポイントになっているのがこの湖の若さだという。多くの水棲UMAではネッシーを筆頭に古代の巨大生物、特に首長竜族の生き残りだとする説が有力となる場合が多いが、チャイニーズ・ネッシーに関してはその説が最も低いとされている。というのも出没地である天池は直径約4kmの割と小さめの湖だが、それもそのはず噴火でできた窪地に雨水などが溜まってできたカルデラ湖で誕生からまだたった300年ほどしかたっていないというのである。これではもともと居た古代のプレシオサウルスが生き残っていたという説はどう足掻いても説明がつかず、まして標高3000m近い山の頂きに位置しているためどこかから移住してくることもほぼ不可能である。

そのため、現在はソウギョの巨大化もしくは大型動物の水浴びが有力とされているが、前者はそもそも伝わっているチャイニーズ・ネッシーの特徴が魚とは似つかないため懐疑的であり、後者も湖の水辺でそのような動物の入水、水浴びの姿があまり目撃されておらずこちらも疑問が残る。最深部が300mを超える暗い湖底で息を潜めている謎の生物の正体は依然闇の中にある。"