自然界で亡くなった多くの動物は他の動物のエサとなるか、その場で分解され腐敗し自然へと還る。それは陸上で亡くなった動物だけでなく、海中でなくなった動物もそうである。しかし海洋には波があり、亡くなった海洋生物はたびたび陸上へと流される。それが座礁である。古来から人類は座礁により、多くの海洋生物の存在を知ったであろう。海岸沿いに文明が存在する以前のものであるよ推測されている貝塚が多数見つかっており、そこからはクジラの骨が見つかっている。もちろん、その頃には大海へ出て大型海洋哺乳類を捕獲するなんて考えられないため、人類は座礁によりクジラの存在を知った。座礁によって初めてクジラを見た人類はとても驚いたであろう。それは未確認生物を発見した現代人と同じ驚きかもしれない。海洋哺乳類の座礁は現代でもたびたび見られ、その多くはクジラである。しかし、時に座礁で思いがけないものと遭遇することもある。
1983年、アフリカの西岸に位置するガンビア共和国と呼ばれる小さな国である生物の死骸が見つかった。発見者はアマチュアの動物学者オーウェン·バーナムであり、彼が家族とリゾート地であるバンガロー·ビーチで散歩している時であった。海岸沿いに奇妙なものが半分近く砂浜に埋まったまま放置されており、疑問に思ったオーウェン·バーナムが調べたところ、それは大型の動物の座礁死体であると分かった。その座礁死体に興味を抱いた動物学者は、カメラを持ち合わせていなかったためスケッチでデータを残そうとした。しかし、しばらくすると地元の漁師たちが現れ、その座礁死体を解体したため、動物学者の証言とスケッチデータだけが残った。
この座礁していた大型動物は発見された国の名前から「ガンボ」と名付けられ、現在も謎を残す未確認生物の一つとして知られている。オーウェン·バーナムの調査によると、発見当時はまだ腐敗はほとんどなく、座礁してからそれほど時間が経ってなかったという。そのため状態はよく、生態調査はしやすかったという。体調は約4.5メートルであり、胴の幅80センチメートルであり、50センチメートルほどの四肢があったという。見た目は鱗はなく、イルカの様な海洋哺乳類のようであり、体色ははっきりとした2色であったとされ、腹部が白く背部が濃い茶色であった。「ガンボ」の口は異様に長かったと言われており、口内には80本ほどの歯がびっしり並んでいた。また、漁師たちによる解体は時間がかかったということから、強固な脊椎を持った生物であったとされている。
オーウェン·バーナムの証言から「ガンボ」は座礁したカワイルカの一種の可能性が高いと言われている。カワイルカはイルカの中でも口が長いという特徴を持っており、口が長い「ガンボ」と一致している。しかし、俗に言うカワイルカは淡水でのみ生活ができ、西海岸で座礁するということはありえない。一部のイルカは海水と淡水の両方で生活できるが、そのようなイルカは口が長い特徴は持ち合わせていない。そのため、カワイルカの説は絶対ではないとされている。現在では白亜紀に生息していたと言われている「イクチオザウルス」の可能性が高いのではないかと言われている。「イクチオザウルス」の化石は「ガンボ」の特徴に類似しており、様々な場所で目撃情報がある。そのため「ガンボ」はひょっとしたら恐竜の生き残りではないかと言われている。
1983年に座礁死体として目撃された「ガンボ」ではあるが、それ以前にも「ガンボ」らしきものの目撃情報がある。1915年、時は第一次世界大戦であり、フランスの西海岸でドイツ軍のUボートがイギリスの大型汽船を攻撃した時の話である。Uボートの攻撃を受け大型汽船は沈没し、水面下で爆発をした。その爆発を見守っていたUボートの乗組員たちは大型汽船の残骸の中から浮上して来た大型生物を見ている。この生物は20メートルほどの体長で、胴が長く四肢を持ち合わせており、頭部は細長かったと言われている。この特徴は「ガンボ」と類似しており、その乗組員たちが目撃したのも「ガンボ」だったのではないかと言われている。1983年の報告以降「ガンボ」の目撃情報はなく、現在も謎のままである。
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ガンボもUボート事件のも、首長竜ドリコリンコプスの仲間だと思います。別の場所で捕獲され、写真も撮られています。