ハイール湖の怪物

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"ハイール湖の怪物とは、ロシア極東の地、シベリアにあるハイール湖に棲息すると言われている巨大UMAのことである。
名称については、未だ具体的な固有名詞は名付けられておらず、最初の発見地であるハイール湖の巨大生物と言う事から、この俗称で呼ばれているが、これがこのUMAの神秘性を高める要因ともなっている。
1964年、当時のソビエト連邦モスクワ大学の複数の地質学者などで個性された研究グループが、以前から豊富な鉱物資源が埋没していると噂されたハイール湖の地質調査を行う目的でこの湖を訪れ、そのときに発見されたのが最初の発見事例である。
また、ソビエト連邦の中央機関紙であった新聞コムソモリスカヤ・プラウダの当時の記事には、研究者グループの副リーダーであったN-グラッドキークが、このUMAの最初の目撃者であったと記載されている。
実際に目撃した複数の人物の証言を統合すると、ハイール湖の怪物は、体長およそ25メートルにも及ぶ首長竜の一種といわれており、今から約6500万年前の恐竜時代に棲息して絶滅したと考えられているブラキオサウルスやアパトサウルスなど雷竜と同種の巨大生物ではないか?という推測が成されているが、真偽のほどは未だもって不明となっている。ただし、他の目撃証言では、ハイール湖の怪物には巨大なひれ状の組織が備わっていたという意見もあり、元々、雷竜や首長竜などの種族にはひれ状の組織は備わっていないことから、全く別の種族ではないか?という推測も提示されている。
これら意外にも、実際にハイール湖の怪物に纏わる様々な証言や現地での調査を行った生物学者など一部研究者からは、主に湖など水中での棲息が主体ではなく、陸上で生活を行い捕食を行っていることから、同じ特性を持つカバよりも更に巨大な草食性ほ乳類に当てはまるのではないか、という主張が成されている。
ただし、ハイール湖の怪物については、他の地域で確認されているUMAとは違い、多くの懐疑的な意見が登場しており、その存在事実を明確にする上でこれらの意見にも注目する必要がある。
懐疑的な意見の一例としては、具体的な目撃証言などが極わずかに限られている点や、ハイール湖自体が元々、活火山の上に位置する形で展開する巨大湖だったことから、地質学的な視点に基づくと、巨大なUMAが棲息する環境としては適していないという考え方が主張されている。また、ハイール湖の水面から湖底までの深さが7メートルしかなく、湖底部分が50cmから60cmの永久凍土層の上にあることから、巨大生物の棲息環境として適していないという意見も低減されている。
このほかにも、ハイール湖の怪物の目撃証言の多くに見られる湖面の巨大な揺らぎ自体が、湖底に位置する活火山の活動による震動によって引き起こされた水の奔流だったのではないか、とする意見も登場している事から、こうした懐疑的な見方から登場した主張と、ハイール湖の怪物が実際に棲息していると確信する主張者との間で常々、論争が巻き起こっている。
2007年には、発見当時、グラッドキークが最初の発見者であると報じた新聞コムソモリスカヤ・プラウダの紙面上に、発見者であるグラッドキークは元々科学者ではなく調査の補助を行う為に調査団に雇用された出稼ぎ労働者に過ぎなかったことが報じられた。
また、発見者とされたグラッドキーク自身が、自身の主張した目撃証言自体が創作であったことを認めたことから、現在、ハイール湖の怪物に対する信憑性は著しく低下している。"