少し哲学的なことを考えましょう。
ヒト、つまり人間と、会社のような組織とで、最大の違いは何でしょうか?
人間は寿命のある生物、組織は生物でない。だから、生物一般の特徴が人間には当てはまり、組織には当てはまらない。・・・ これが普通の答です。
私は「人間はご飯を食べるけど、会社は食べません。」と回答された経験がありますが、食事については、会社も人間と同じように栄養をとらないと存続できません。人間の食事に当たるのが、金や労力であるだけです。
私が見たところ、会社は人間より多く食べます。残酷なくらいに。
しかし、無意識に「会社=生物の集まりの家族と似たもの」と思ってしまう方が多いようで、残酷さが直視されるのは多くないようです。
腹が減ったら、生物は、食べ物を調達してくるしかありません。
タコは自分の足を食べることがある、と言われますが、本当だとしても、ずっと食べ続けるわけにはいきません。
ところが、会社は生物でないので、構成員とか資産とか、自分自身を食うことができるのです。
功労者を追放して渡すべきだったものを食ってしまう。こんなのは、序の口。
関係者から金をせしめようとする、死ぬまで奉仕させようとする、そんなこともよくあります。
ブラック企業特有の性質と言われることもありますが、そうでしょうか。「拾い食い」をするかしないかのプライドの差しか無いように見えます。
もう一つ。 生物は、自分の子を食べません。
中国人は飢餓の時に子を交換して喰った、とか例外はいくらでもありますが、寿命のある個体が子孫を食べるなら、生物の種として成り立ちません。
しかし会社は、平気で自分の子を食べます。 食べるために子を作ることさえします。
コンビニという業態があります。
フランチャイズ店のオーナーを募集していますが、これは本部から見れば、子に当たり、エサでもあります。
オーナーのあなた、あなたの出資金、あなたの労力、すべて本部に食べられるためにあるのです。
経営がうまく行かなくなった方から、食い尽くされていきます。
経営が軌道に乗った方は、おめでとうございます。 しかし、油断は禁物。 本部は、あなたから十分甘い汁を吸っていますが、まだまだ貪欲です。
あなたの店で何が売れているか、本部はすべて情報を握っています。
あなたの店の近所に新規オープンした本部直営店は、その近辺の売れ筋商品ばかり並んでいます。
需要旺盛で、共存共栄するかもしれません。 そのときには、本部はさらに直営店を出店します。
直営店ばかりになった場合には、とたんに店舗整理が始まります。
そして、直営店の雇われ店長に、フランチャイズ店のオーナーになるように声がかかるのです。
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