私がマヤ以前から延々と受け継がれているという、水晶髑髏(クリスタルスカル)について知ったのは、もうだいぶ前で、おそらく20年以上たっています。最近ではインディジョーンズの映画の題材になったので、それで知っている人も多いかもしれませんね。もともと頭蓋骨というモチーフと、マヤ、インカなどの古代文明に興味があったので、夢中になって本を読みました。それらの本いわく、最新のレーザーカットなどではとて制作することができないほど緻密な造りになっていて、制作方法もよく分からず、特殊な音波を発したり、中には、世界中のクリスタルスカルが集まると何かが起こる、というオカルトめいたエピソードまでありました。これはますます興味深いではありませんか。現在のものと比べても超精密な暦で有名なマヤ文明には、クリスタルスカルを緻密にカットする能力はなく、前の文明から受け継いだのではないか、という説は私の胸に突き刺さりました。
私はたまたま15、16年ほど前、カナダに住んでいて、アメリカのアリゾナ州セドナでクリスタルスカルをテーマにしたカンファレンスが開かれるという情報を聞きました。これはもういてもたってもいられず、数週間前から航空券を押え、アリゾナ州のフェニックス空港に飛びました。そこの空港係員に、なぜセドナに来たの?と問われ、正直に答えたところ、セドナ(日本式発音)ではなく、セ・ドーナ(セに一番強いアクセントをつける)だよ、と発音を直されてしまいました。フェニックス空港からはバスで3時間か4時間くらいかかったと思います。その間は、本当に西部劇の映画に出てくるような砂漠が広がっていたのを覚えています。
さて、セドナと聞くと、みなさん何を思い浮かべるでしょう? その当時は現在のようなパワースポットという言葉も普及している状態ではなかったですが、何が印象に残っているかというと、とにかく雄大なグランドキャニオンです。大きく目の前に見えました。クリスタルやヒーリングに興味があるようなニューエイジな観光客ももちろんいましたが、この雄大なグランドキャニオンを見に来ているらしい人の方が、圧倒的に多かった気がしました。食べ物も文化も、アメリカというより、メキシコに近い感じでした。住んでいる人もメキシコ系の人が多かったと思います。とうぜんタコスなどのメキシコ料理を食べるのですが、これがまた美味しかった。セドナは普通に観光地として、かなり素晴らしいです。パワースポットやニューエイジという言葉だけで敬遠するのはもったいない場所だと思います。
カンファレンスは翌日から3日ほど開催されまさした。カンファレンスとは言っても、マックススカルともう一つ何か、本物と認定されているスカルを囲んで、講演会が行われるような感じで、スカルの歴史を討論する、というようなものではなかったです。主催者は、某有名大学で心理学を教えていたというチェット・スノウさん。http://www.crystalskulls.com/chet-snow.html このサイトに顔写真が載っていますが、とても気さくな方でした。私が写真撮影はダメ、という英語の張り紙を見落として、写真を撮ったら、君はここに書いてある英語を読めるはずだよね、でも、撮ってしまったものは仕方がない。良く取れていたら僕にも一枚分けてよ、というやりとりをしたことを覚えています。
実際実物を見たら、本当に良く細工されていました。これが何千年も前に川の砂で削りながら制作したとは、とても思えませんでした。南米の先人達は何を考えてこれを丹精込めて作ったのか、謎は深まるばかりですが、実際にあるものは仕方がありません。オーパーツと言われようが、その時代に現在は失われて痕跡の残っていない、クリスタルをカットする技術があった、と仮定するのが一番しっくりきます。これは私の主観ですが、髑髏というの死を象徴するものでもあり、同時に生を表すものでもあります。人体の中で一番大事な脳を保護するパーツであり、死を象徴するわりには、どこかユーモラスなイメージもある。この骸骨に、何か特別なメッセージを込めたかったのではないでしょうか?
そのメッセージとは何か、というのは、幸運にもクリスタルスカルに直接触れる機会がある人は、自分なりに解釈するしかないでしょう。ここまで長文をお読みいただき、どうもありがとうございました。
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