1997年、ロシアのブリャンスクの森林地帯で金属製のボルトが発見された。岩石がボルトを完全に包み込んでおり、岩石生成の時代とボルトが使われた時代は同一であると思われる。モスクワ地質研究所が岩石の生成年代を調べたところ、約15億年前と判明した。
石の大きさは約20cm。後のX線調査から、石の中には10個以上のボルトが埋まっており、数トンの力が加わっても変形しないということがわかった。
15億年前とは、いったいどんな時代だったのだろうか。
その頃はカンブリア紀と呼ばれており、三葉虫が現れ、アノマロカリスが繁栄を極め食物連鎖の頂点に君臨していた。また、地球の気候は非常に温暖で、地表のほぼ全てを海が覆っていた時代である。むろん、人類の影など微塵もない世界だ。
そもそも人類の起源となる猿人の誕生が約700万年前であるから、この金属製のボルトは途方もない昔の遺物だということがうかがえる。では、人工物を作れるような生命が存在していない地球で、誰がこの金属製のボルトを作ったのだろう。
モスクワ航空大学のチェルノブロフ教授は「15億年前に地球にやってきた宇宙船が、何らかの原因で故障・爆発して飛び散った部品の一部」と主張している。
このような宇宙船の来訪説と共に存在するオーパーツは数多く存在する。例えば、南米各地で発見されている黄金ジェットが有名ではないだろうか。鳥や魚を模したものとされる説も多いが、航空技師アーサー・ヤングの見立てによると、航空力学上飛ぶことが可能な形状をしているとのことだ。このような飛行機やロケットを模したと思われる物体は、一か所ではなく、離れた複数の場所から発見されている。
また、メキシコ・パレンケの石棺にも、宇宙飛行士がロケットに乗っているように見えるレリーフが掘られている。縦か横かによって、宇宙飛行士に見えたり、同じ遺跡内にある他のレリーフのように見えたりもするが、はっきりと解明はされていない。
スイスの実業家エーリッヒ・フォン・デニケンは、不可解な技術を持った遺物に対し“古代宇宙飛行士説”を唱え、「古代遺跡やオーパーツは宇宙人の技術で作られた」と論じた。この説は超能力やノストラダムスを代表とするオカルトで沸く世界に一大ブームを巻き起こし、創作の世界にも大きな影響を与ることとなった。
しかし、ボルトが発見されたのは旧ソ連時代の閉鎖された工場跡で、ボルトが埋もれた土砂が圧力などでカンブリア紀の地層に潜り込んだだけ、という見解が強い。なぜなら、堆積した土砂は、強い圧力と、炭酸カルシウムを多く含むという条件が揃えば、数ヶ月程度という短時間で硬い岩石へと変化することができるからだ。
このボルトは金属製のため除外されるが、カンブリア紀を含む古生代に誕生したウミユリの化石は、螺旋形の特徴から、ボルトやネジといった工業的なパーツと間違われることも多い。
ロシアではUFOの墜落とされる事件も多く、古くから宇宙との関わりがあったのではないかと推測される。
いずれにせよ、詳しい調査もされておらず、様々な考察はあるが真相がわからない以上、太古の地球に宇宙人が注目すべき“何か”があったという説も捨て去ることはできないだろう。
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