「プロビデンスの目」を知っているだろうか。別名「万物を見通す目」として知られている「プロビデンスの目」は三角形と目を組み合わせたデザインで描かれており、現代では様々な場所で見受けられる。このデザインのルーツは元々エジプトにあると言われており、エジプト神話に登場する神々の中でも最も偉大とされているホルス神の目がモチーフとなっている。その後、中世からルネサンス期にかけてキリスト教でも「プロビデンスの目」は使用され、ここではキリスト教の教えのひとつである「三位一体」の象徴として使われている。そのためキリストを描いた絵画や、大聖堂、キリスト教の宣教師が創設した「チリ大学」の紋章などに「プロビデンスの目」がしばしば見られる。また、真摯に宗教を信仰している者だけが入会できる世界的な友愛団体「フリーメイソン」も「プロビデンスの目」をシンボルとしており、世界各地にあるロッジにシンボルが見られる。それに加え、フリーメイソンが関わったのではないかと言われている歴史的な出来事にもしばしば「プロビデンスの目」が見られ、1789年に起草された「フランス人権宣言」を描いた絵画の上部、アメリカ合衆国の1ドル札と国章に使用されている。そんな古代エジプトから使用されている「プロビデンスの目」だが、近年「プロビデンスの目」に関連するのではないかと言われているオーパーツが発見された。1980年代、エクアドルである金採掘をしている人物が地下10メートルの付近で300程の遺物を発見した。その遺物の多くは大変興味深いもので、歴史研究者の多くを魅了した。1999年にオーパーツなどを展示する「未解明の謎展」のコーディネーターであるクラウス·ドナが発見された遺品を調査するためエクアドルを訪問した。調査中、彼は300の遺品の中から、一際目を引く遺品を発見した。その遺品は三角形の石版の中に目が描かれているデザインをしており、「プロビデンスの目」に大変よく似た遺品であった。
2001年の「未解明の謎展」で一般公開された石造の遺品は「ピラミッド·アイ·タブレット」と名付けられ、一大センセーションを巻き起こした。発見後、「ピラミッド·アイ·タブレット」は本格的な学術調査はされていないものの、その外観の簡単な調査はされており、いつくか興味深い事が浮かび上がった。まず、そのデザインである。「ピラミッド·アイ·タブレット」は三角形の石版に底辺から数えて13段のレンガの様なデザインが施されており、その最上部に目がデザインされている。このデザインはまさにアメリカの1ドル札および国章にデザインされている「プロビデンスの目」と全く同じものである。アメリカのドル札と国章にデザインされている「プロビデンスの目」にも13段のピラミッド、そしてその最上部に光り輝く目が描かれている。驚くことに、「ピラミッド·アイ·タブレット」にブラックライトを当てると、最上部の目が光り輝くような細工がされており、その点にも類似性がある。また、エジプトとの奇妙な関連性も見受けられる。まず、先に述べたようにアメリカの国章に使われている「プロビデンスの目」はエジプト神話発祥ではないかと言われており、必然的に「ピラミッド·アイ·タブレット」のデザインも何らかの関連性があるのではないかと言われている。そして、「ピラミッド·アイ·タブレット」の底面には黄金が埋め込んであり、黄金の配置がオリオン座の中央の三ツ星と同じような配置となっている。ここで考えてほしいのがエジプトの三大ピラミッドである。エジプト三大ピラミッドの配置はナイル川を「天の川」と見立てた時、その三大ピラミッドの位置はオリオン座の三ツ星の位置に重なる。そのことから三大ピラミッドはオリオン座を模したものであり、古代エジプトとオリオン座にはなんらかの重大な関連性があるのではないかという説がある。ピラミッド型の「プロビデンスの目」、そしてオリオン座の三ツ星、「ピラミッド·アイ·タブレット」と古代エジプトの間に深いつながりがあるように思える。また、底面の黄金細工の横にも大変興味深い文字が刻まれている。それは先サンスクリット文字で書かれており、「創造主の息子がやってくる」という意味である。「プロビデンスの目」の元となったホルス神はエジプト神話で神々と世界を創ったとされている太陽神「ラー」の息子であり、ひょっとしたら「創造主の息子」というのはホルス神を示しているのかもしれない。
「ピラミッド·アイ·タブレット」、アメリカ合衆国の設立に関わったとされているキリスト教またはユダヤ教、フリーメイソン、そして古代エジプトは何らかの関係性があるのではないか。しかし、「ピラミッド·アイ·タブレット」は多くの疑問も残している。まずは製作された正式な年代がはっきりとしていないこと。その形状から、おそらく制作されてから数百年は経っているとされているが、未だにはっきりとしたことはわからない。また、発掘された場所がエクアドルの地下であるにもかかわらず、底面に書かれていた文字が先サンスクリット文字であるということ。エクアドルは南米の一国、そして先サンスクリット文字は古代から中世にかけてインドや東南アジアで使われていた文字である。何故インドから離れたエクアドルで先サンスクリット文字が書かれた遺品が発掘されたのかは未だに不明である。ひょっとしたら、古代からフリーメイソンのような世界的な友愛結社が活動しており、古代エジプトやアメリカ合衆国の創造に関わっていたのかもしれない。
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