怖い話を集めています

実話・創作問いません。
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あまり怖くありませんが。
私にはどうやら「白い着物の女」が憑いています。年は三十路程、死に装束のような一重の白い着物で髪は黒のセミロング。嫌な笑い方をしていて、決まって『なんらかの不調の時』姿を見せてきます。
視界にチラチラといる鬱陶しいだけの人で、私には基本何もしてこないので、私は気にとめた事はあまりありませんでした。
今までは。
三日程、実家で宿泊した時のことです。
夜中の三時、珍しく目を覚ましました。
私は不眠症メンタルで睡眠薬を常用していますので中途覚醒など殆どないはずなんです。
でも、ピタリと起きた。
ただ、私はこの時は深く考えず寝ました。翌日も布団が変わったからかななんて考えていたほどです。
でも、翌日の夜もまた三時に目を覚ましたのです。
正直、またかとうんざりしながら水を飲んで宛がわれた部屋の布団に戻ろうとショートカットのつもりで居間を通り過ぎて、ギクリとしました。
先程閉めた引き戸がガタガタ揺れ始めたのです。
私は霊感が全くない人間で何が居間の戸を揺さぶっているかはわかりません。でも風の揺れ方とは違う感じで、そう、引き戸を人間が掴んで、外そうと揺さぶっている。そんな揺れ方です。
私は多少不気味に感じましたがすき間風だろう、古い家だから。
そう結論付けて眠りました。
三日目、昨日からの不愉快な記憶から私は少し強めの薬で眠ることにしました。ただ、この薬は効き目が酷くて悪いときは丸一日寝るような強力なものです。
私は仕方なく母にそれとなくよく眠れないこと、昨日引き戸が妙な揺れ方をした話をしました。笑い話のつもりで。
しかし、何と感じやすい母は私とは違う受け止め方をしたらしく、数珠と水晶の首飾りを渡して付けるようにと言い始めました。私はあきれ半分でしたが、これも親孝行だと思いながら付けて眠ることにしました。
そして、やはり三時に私は目覚めてしまいました。
携帯電話で時間を確認して、また三時かとうんざりとした私は、ふとに居間と宛がわれた部屋をしきる戸の前に彼女が立っている事に気がつきました。
よくある幽霊の服装ですが背をぴしゃりと伸ばしていて、まるで閉め切った私を咎めるような様子で正直越しに私を見ているようなのです。
私は、微妙な喉の渇きも尿意も無視して布団をかぶって寝ました。
翌日、その姿を描いて話すと母は一層慌てたようで、私の話を幾つか聞いた後、拝み屋らしい知り合いの話を始めたのです。心配はありがたいですが私は見えるわけではないし、後ろではオカルト否定論者の父が新聞を読んでいる訳で、拝み屋にかかるなんて話になれば喧嘩が起きるのは目に見えています。
私は慌てて絵を千切って捨てて、「流したから大丈夫」と宥める事にしたんです。適当な呪いですが、母は納得したようで、話は終わりました。
ただ、気になることが二つあります。
一つ、昨日彼女が閉め出されていた居間の真上を寝室にしている姉が何か重苦しい空気に圧迫されてやはり三時に目覚めたとぼやいていた事。
二つ、実はこれ昨日までの出来事で、私今日からアパートで独り寝なんですよね。彼女、憑いてくるンでしょうか。あと、今日も夜中三時に目覚めたらどうしようって事です。

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