初投稿です。それほど怖くなく、長いのですが読んでいただけたら幸いです。

私は山形県の不便ではない程度に栄えた田舎に住んでいました。今は上京して一人暮らしです。

まだ小学生だったときの話です。
住んでいた集落(住人全て同じ苗字で分家や本家、屋号なんかがあったのでここでは集落とします)では月に何回か公民館に子供とお母さんたちが交流する「じぞうこ」という集まりがありました。

夜遅くまで遊んでいられてることと、集落の子たちとわいわいしながらお菓子を食べたりできるので私と弟はこの集まりがとても好きでした。
ただ、公民館の隣には墓地と何らかの神様を祭っている高床式みたいな建物があって夜は少し怖かったですね。あと、「じぞうこ」の最後に仏像に向かってみんなで拝む行為も、じっとしていられない年頃には少しつらかったです。

ある時、「じぞうこ」に集まった子たちで座布団を使って遊んでいたら、1人の子が「〇〇ちゃん来た~!」とまだ公民館に来ていない子の名前を叫んで玄関に向かったのです。
しかし、その子はしょぼんとした顔をして「〇〇ちゃんじゃなかった…」と戻ってきました。では、誰だったのか?最後の1人は〇〇ちゃんで、子どもは全員いるし、母親たちも全員テーブルを囲んでいます。
子ども達の中で一番年長さんだった私は、念のため母のもとに行き報告しました。

「おかあちゃん、■■ちゃんが〇〇ちゃん来たって言うてるけど、誰も来てないんだって」

すると、母は少し硬い表情をして「気にしなくていいのよ」と
周りのお母さん方もまるで話をはぐらかすように話題を変えたのでした。

しばらく遊んでいると、廊下からパタパタと足音が聞こえました。
今度こそ〇〇ちゃんが来たのだと、私と弟で廊下に飛び出したのですが、そこには誰もおらず、薄暗い廊下が続いていました。
その数十分後に、〇〇ちゃんが盛大に「こんばんは!!!!」と叫んでやってきたのでした。

このことを家に帰ってから父に話すと、

「あぁ、あそこお化けが出んだべ。おめらが楽しそうにしてっさげ近づいてきたんでねの?」

とカラカラ笑いながら言われました。
公民館では、よく集落の若い衆が集まって飲み会をするのですが、そときも足音や人影が見えるときがあるんだと、酔っている父は面白い話のように語っていました。

また別の日。
今回の「じぞうこ」は、私の家で開催の準備をする回だったので、母と私と弟の三人で公民館に行きました。
公民館に入ってすぐ、私は押し入れに入っている長テーブルを出そうと、スパンと襖をあけました。すると、押し入れの中に髪の長い中学生くらいの女の子が体育座りでうずくまっていたのです。
突然空いた襖に女の子も驚いたようで、大きく目を見開いていました。
襖を開けた私も、それはそれは驚いたので、おもわず「誰だおめぇ!?!?」と大きな声を上げてしまいました。すると、女の子はショックを受けたように悲しそうな顔をしてスーッと消えたのです。

その瞬間、その子がおばけなのだと理解した私はギャーっと叫びながら台所にいた母のもとに逃げ込みました。そして今起きたことを話すと、怖いこと言わないの!!と拳骨を食らってしまいました。

それからも何度も「じぞうこ」は行われ、やはり何かしら起きました(足音、人影、子どもの声など)
けど、大人たちはそれを気付いていながら無視していると子どもの私でも察しがつきましたから、自然と私も気にしないようになりましたね。

一気に時間は飛んで、私が高校生の頃。
なんでも好きなことを発表する授業があり、班の中で私の意見が採用されました。
その内容が「地元の心霊スポット」ついて。
皆でパソコンを使って心霊スポットを調べていた時に、ふと「じぞうこ」について思い出しました。
班員に今までの出来事を伝えると、おおいに盛り上がりましたね。
そのうち、一人が「じぞうこ」って何だろうと言い出して、Google先生に聞いてみたのです。
すると、「ジゾウッコ」という言葉がヒットしました。
「水子」に関係しているらしく、間引きされた子をジゾウッコという地方があるとのことです。
「ジゾウッコ」が変化し「じぞうこ」になったのだろうと容易に想像できました。

そしてその時、すとんと私の中で納得がいったのです。
というのも、公民館に併設されている墓地には無縁仏があります。
私の祖母も流産の経験があり、父が「このお墓には生まれてこれなかった俺の兄妹がいる」とも言っていました。
さらに、百姓の多い集落なので、昔から子供を間引くことがあったと曾祖母が話していたことも思い出しました。

もしかすると公民館に現れた押し入れの女の子は、ジゾウッコだったのではないかと、その時に思いました。また、母親と子供だけが集まるというのも交流だけではなく、何かしら供養の意味や、生まれた子の健康を祈る意味とかがあったのかもしれません。
「じぞうこ」の最後に仏像に向かって拝む行為も、よくよく考えれば仏像が設置されていた方向は墓地の方でしたし、仏像も道祖神や地蔵菩薩だったように思います。

今はもう集落に小さな子はいないため「じぞうこ」は行われていないとのことですが、
地元に帰省して、公民館の前を通るたびに押し入れにいた子のことを思い出します。

皆さんがお住いの地域にも「じぞうこ」ってありましたか?
もしくはそれに近い集まりとか。
もしあれば教えていただきたいです。

駄文、長文失礼いたしました。