ザ・フライ 蠅男の悲劇

「ザ・フライ」は、デビッド・クローネンバーグ監督作品で、「蠅男の恐怖」という昔の映画のリメイクです。より現代的に、リアルな恐怖や哀しみの迫ってくる映画になっていました。
科学者のセス・ブランドルは、2つのポッドを使い、一方のポッドからもう一方のポッドに物質を転送するという物質転送器「テレポッド」の開発研究をやっていました。取材に来た記者ヴェロニカの助言で、とうとう無機物だけでなく生物の転送に成功します。そしてある日、泥酔したセスは、自分を実験台にしてしまいます。転送は成功したかに見えたのですが、その後セスの身体にだんだんと異変が起きてきます。身体に剛毛が生えてきて、異様な身体能力を獲得します。実は、テレポッドで自分の転送実験をした際に、テレポッドにハエが紛れ込み、そのハエとセスが遺伝子レベルで融合してしまったのです。日ごとに人間ではなくなっていくセス。ヴェロニカは妊娠しますが、子供はハエの遺伝子を受け継いだ可能性があることを考え、堕胎しようとします。しかし、心までハエになってしまっていたセスにはばまれ、実験室に連れて行かれます。
完全なハエ人間になってしまったセスは、より人間に近くなろうとして、テレポッドを使い、ヴェロニカとその胎児との自分の融合を画策しますが失敗。テレポッドの部品との異常な融合をしてしまいます。人間でなくなってしまったセスは、ヴェロニカに自分の銃殺を乞い、ヴェロニカはそれに応じるのです。セスの運命がとても悲しく、可哀想で、涙が出てきてしまいました。