1408号室 スティーブンキング原作 息詰まる密室ホラー

とあるホテルに"泊まると必ず死ぬ"という部屋があることを知った主人公、心霊記事ライターのマイクは実際にそこに泊まってみてレポートを書こうと試みます。
このいわくのある部屋の存在は従業員も認知していて、ホテルのオーナーはマイクの宿泊を諦めさせようと説得をしようとしますが、マイクの好奇心と強情に折れとうとう部屋を貸してしまいます。
マイクはこれまで散々インチキな心霊スポットに訪れて肩すかしを食らっていたため室内で発生している異変を従業員のイタズラだと考えますが、しだいに異変は悪化していきとうとう部屋から出ることすらできなくなり、後悔と絶望感に襲われていきます。

ホテルの部屋といえば清潔感や高級感がまず思い浮かびますが同時に存在するあの閉塞感、それを上手く生かした作品だなと思いました。
最初は余裕のある主人公が室内で発生する小さな物音や機材の故障など、私たちが日常で生活していても感じるほんのささいな違和感から徐々に追い込まれていく感じはあたかも自分がホテルの室内にいるような錯覚を覚えさせてくれます。
急なドッキリ演出で視聴者を驚かせるような映画も多くありますが、(この作品にもその演出が無いとはいいませんが)全体からねちっこく不安感を煽るような展開で個人的には非常に好感が持てます。
物語終盤になると室内で起きる出来事が過激になり、ホラーというより「こんなことまで起こるの!?」という驚愕が勝ってしまうかもしれませんが、この大がかりな展開も見どころの一つといえるでしょう。

流石巨匠スティーブンキングといったところでしょうか。ホラー好きの万人におすすめできる作品でした。