短編2
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いごがんぎぃ

俺が小学生の頃『いごがんぎぃ』と言う言葉があった

目が充血してたり、出来物があったりするやつに言う悪口だ

言ってるのを地元の大人に聞かれるとこっぴどく怒られた

なぜその言葉があるのかは知らなかったが、子供だったこともあり深く考えることはなかった

ある日、俺は友達のAとクワガタ採りをして山で遊んでいた

しかしその日は全く成果が上がらなかった

夕方になりそろそろ帰らないと行けないと思っていると、Aがこう言い出した

A「幽霊池に行こうや」

幽霊池は子供らが勝手に名前を付けているだけの小さな池のことだ

その池の周りの木にはクワガタやカブトムシがたくさんいると評判だった

だがその池を見たことあるやつはいない

理由は、池に続く道の途中に四軒の家があり、池に行こうとすると凄い剣幕で怒られた。さらに周りには高いフェンスが張り巡らされていた

俺「あそこには行けれんで。あの家の人らに怒られるわ」

A「俺知っとるんじゃ。あそこ通らんでもフェンスに穴が開いとるとこがあるんよ」

俺「でもあそこは入っちゃいけんゆうて言われとるし…」

A「ちょっと入ってクワガタ採るだけじゃすぐ戻ってきたらええんじゃって」

A「お前だってクワガタ欲しいじゃろ?」

Aにそう言われ俺は行くことにした

クワガタが欲しいというよりはAにビビってると思われたくなかったからだ

辺りは暗くなり始めていたが、夏なので日の入りまではまだ時間がある

俺たちはフェンスの穴を抜け、幽霊池にたどり着いた

幽霊池は本当に小さな池だった

A「おいあそこにデカイのがおるで!」

Aが指差した方を見ると、太い縄が巻いてある大きな木があり、少し高い位置にクワガタがいるのが見えた

A「俺が見つけたんじゃけ俺のど」

そう言うとAは縄に足をかけ木を上りだした

俺「A危ないで!」

A「大丈夫じゃって。もうちょいで届く…」

Aの伸ばした手がクワガタに届いた瞬間

ブチッ

足をかけていた縄が切れ、Aは木から落ちてしまった

俺「A!」

少し離れて見ていた俺は直ぐにAに駆け寄ろうとし一歩踏み出した所で、Aは凄い速さで立ち上がった

その速さが尋常ではなかったので、俺は思わず立ち止まってしまった

俺「お、おい大丈夫なんか?」

俺はAに声をかけたが俯いたまま反応がない

次に続く

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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