中編3
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河童

あまり怖くないけど子供の頃の話です。

子供の頃、火事跡に忍び込んだことがある。(言うまでもなく違法です。罰せられます)

バカ3人でお菓子持ってキャーキャー騒ぎながら入っていたんだけど、とくに怒られもしなかった。周りの大人はおおらかだったか、あるいは無関心だったのかも。

こういう悪戯を思いつくのがAで、その友達のBと私が乗っかるのがいつものパターン。

初めて行った火事跡は、パッと見はどこも焼けてなく、普通の家だった。玄関を開けたら野犬が4匹くらい飛び出してきた。

中に入って見回るとどうやら仏壇が火元で、ドロドロに溶けた蝋が焦げた仏壇に絡み付いてなかなか気味が悪かった。台所は殆ど焼けてなく、冷蔵庫には飲みかけのイチゴ牛乳がそのまま残っていた。

初めて見る火事跡は生々しくて、強烈に心に残った。

ある時、3人が給水塔の上でうまい棒を食べてたら、けたたましいサイレンを鳴らしながら消防車が走っていった。遠くのほうに煙が上がっているのが見える。

A「次はあそこに行ってみるか」

Bと私は不謹慎にもワクワクしていた。

次の日だったかその次の日だったか。途中道にも迷いつつ校区外だったのでかなり遠かったが、なんとか辿り着いたときにはもう夕方だった。

丸焦げだった。二階のない木造平屋建てが、窓も瓦も真っ黒。それが夕日に照らされて不気味に佇んでいる。

ワクワクしてた私らはかなり引いた。

私「どうする?やめとく?」

A「ここまで来たねんで、入るやろ」

私とBはAに続いて中に入った。

中に入ると殆ど焼けていない。あれっ?なんだ、大したことないやん。と気が大きくなった私らはいつものように探検を始めた。

中は普通だったけど、風呂場が異様だった。苔だらけの水槽がびっしり置いてあった。

A「なんじゃこれ、何入ってんや」

私「これでかき回してみよう」

拾った棒で水槽をかき回すと、ナメクジみたいなのが出てきた。

A「うわっヒルや!塩持って来い塩!」

私「えっ塩なんか持って来てないよ」

A「台所にあるやろ、早くっ」

私「あっそっか」

そんで余所様の台所の塩を勝手に物色するうちにふと気付いた。

家の外があんなに真っ黒焦げなのに、中は全然焦げてない。火元は何処なんだろう、外か?

…それって放火じゃないの?

とたんに怖くなった。放火魔が戻ってきたらどうしよう。

その時「ひぎゃあっ」というAの悲鳴が聞こえて死ぬほどびっくりした。

何事かと戻ると、和室からフラフラと出てくるA。顔が真っ青だ。

B「なんやねんびびらすなや」

A「…河童がおる」

B「はぁ??河童ぁ??」

焼け跡に河童?

Bはこの大発見に早速食いついたが、私は今まで見たこともないAの表情にビビりまくっていた。

B「どこや?この部屋か?」

A「押し入れに…火事で死んだんやと思う」

B「なんや死んでんのかよ。おれが見てきたるわ」

A「やめろ!!絶対やめろ!!もう帰るぞ!」

凄い剣幕で怒るとAは凄い早さで逃げた。私も訳がわからないまま半泣きで逃げた。Bは河童を見たそうにしてたけど、さすがに1人は怖いらしくやがて追いかけてきて合流した。

その夜Aから電話がかかってきた。Aは焼け跡で和室を探検していたとき、押し入れをふと開けてみたらしい。

全身緑色の3歳児くらいの大きさの何かが、こっちを向いてうずくまってたそうだ。

その河童らしきモノは全く動かなかったので、多分死んでたとのこと。

置物じゃない?と聞くと絶対違う。と。あんなリアルで気持ち悪い置物があるはずがないと…

Aはなにを見たんだろう。

その後、河童ツアーの詳細を書いたメモを授業中に回していたら先生に見つかって、ものっすごい怒られた。火事跡にはそれから行ってない。

下手な上に長くてすみません。

お付き合いありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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