短編2
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特養の夜勤 2

特養での夜勤は、定時のオシメ交換と見回り、後は施設内の清掃と朝ご飯の準備等が主な仕事です。

私の勤務していた特養ではオシメ交換をPM9:00から始めて、だいたい1時間程度で仕事を済ませたら、後は掃除をして、ケア日誌をつける。

だいたいPM11:00過ぎくらいには一仕事を終えて、2階の夜勤者と情報交換をします。

勤務は1階を1人、2階を2人、私はその日1階の夜勤に就いていました。

そしてそれらの仕事が片付いたらAM3:00くらいまでの間、見回りを間に挟みつつ休憩時間がとれるのです。

そしてその日は普段休憩室を使って休むのだけど、次の日に催しで使う道具類を山積みに置いていた為そこが使えなかったので、利用者さんの空きベッドを拝借する事にしました。

それがそもそも間違いの始まりでした。

私は00:00時前に仕事が片付いたので、少し横になって休んでいました。

その日は北から4番目の部屋に空きベッドがあったのでそこを借りました。

そこは自分の力では起き上がれない寝たきりの方達が居る部屋で、窓際に二人、入り口側に二人の4人部屋でした。

私は入り口側南のベッドが空いていたのでそこを借りて休みました。

ベッドに入ったら、一気に体の緊張がほぐれて、チョット目を閉じるとそのまますぐに眠ってしまいました。

しばらくの間は本当に何事もなく、部屋は利用者さんの寝息と部屋の外から聞こえてくる虫の声が聞こえてくるだけの静かな夜でした。

それから30分くらい私は眠ったでしょうか?

やはり仕事の緊張感からか目を瞑ったまま意識だけが起きてしまいました。

すると、 急に部屋の空気が一変して…

部屋の一部分から辺りの温度とは明らかに違う別の空間に支配されてき…

『ピキィーン』

強い耳鳴りがした直後に何か異質な者の気配が近付いてくるのがわかりました。

私に分かる確かな事は、ただ得体の知れない何者が近づいて来ている事だけでした。

そして音もなくただ空間を支配してくる何者かに気取らている間に、私は金縛りに合い、自由が奪われていました。

『マズいっ』

と思った瞬間から冷たい汗が吹き出してきて…、体の自由が利かないどころか仰向けに寝ていてお腹の上に置いていた右手が勝手に動かされ始めて、自分の体の支配権を奪われてしまいました。

怖い話投稿:ホラーテラー やんやんさん  

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