短編2
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目が合った

今回は友達のお話をさせてください。

3年程前だったように記憶していますが、自分が遅番で友達が夜勤だったのですが、交替の時間に間に合わないと連絡があり、渋々残業をしていると、1時間くらい遅れて友達が出社してきました。

自分が『おっせーよ!寝坊?』と聞くと彼は真っ青な顔で『今日は帰らないでくれよ!金払うから!独りにしないでくれよ!』とまくし立てるんですよね。

意味がわからず何があったのか聞くと、彼が踏切を車列の先頭で待っていると、一人の女子高生が遮断機をくぐり、踏切に飛び込んだそうです。

彼は『ちょっと待て!』と思い、右を見ると電車は踏切まで30mくらいの所に来ていて、『ダメだ!』と思いもう一度女子高生を見た瞬間に目の前で吹き飛ばされていったそうです。

自分は『まぁショックなのはわかるけどさ、しょうがなかったんだって。そりゃ助けようもなかったし、お前は悪くないよ。』と諭すと『違うんだよ・・・目が合ったんだ・・・。あの子が轢かれる瞬間に・・・。物凄く暗い目しててさ・・・俺怖いんだよ・・・。』と泣くんです。

ゾッとしましたね。

可哀相なんで夜勤に付き合ったんですが、仮眠時間中も突然叫びながら跳び起きるわ、食事したかと思えば吐き戻すわ。

さすがに帰れと言ったのですが、独りは嫌だと朝まで居て、そのまま心療内科に直行して未だにカウンセリグ受けていますが、もし自分が彼の立場だったらと考えるとやりきれないですね。

今回はこれでおしまいです。

お目汚し失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー ドライさん  

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