中編4
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小さい頃

私が小学5年生の時の話です。

私には両親2人と

中学一年生の姉と

小学三年生の弟がいました。

私は親の仕事の都合でよく

引っ越しを繰り返し、

この時期はS県に

父の仕事の事情で

住むことになりました。

そんな私達はあるアパートの二階に

引っ越しすることになり

新しい家にワクワクしていました。

アパートと言っても

木造の二階建ての

建物ですけど。

引っ越しをして2ヶ月ぐらいは

何も起こらなかったのですが

3ヶ月目ぐらいに

そのできごとは起こりました。

私達兄弟は、また

引っ越すだろうと考えて

あまり周りの人間と

親しくしていなかったので

特定の友人はできず

兄弟で遊ぶことが

多くなっていました。

父と母は共働きで

昼間は家に居らず

姉は中学生だったので

私達の相手をしてくれなかったため

私と弟でその頃流行りだった

仮面ラ〇ダーを真似して

よく遊んでいました。

その日は土曜日でした。

父と母は仕事に出ていたので

いつもの様に

仮面ラ〇ダーごっこを

して遊んでいたのですが、

弟が「他のこともしようよ」と

言ってきたので私達は

ヒーローごっこを中断し、

次は何をしようかと

考えていました。

その時、目に飛び込んできたのが

姉が見ていたホラー番組でした。

私達は他にすることが無いので

2人で肝試しをしようということになり

私が幽霊役、弟が人間役を

することになりました。

まず、人間役が家の外に出る→

幽霊役がドアをノック→

ノックから30秒後に

玄関から入ってきて

廊下→風呂場→トイレ→キッチン→居間→寝室

というような流れで

部屋を巡り、幽霊役に

驚かされるというものです。

私達は幽霊など信じていなかったので

私達2人は暫くの間

楽しんでいました。

幽霊ごっこを始めて

10分くらい経った頃でしょうか。

なぜか急に弟が

「幽霊がしたい!幽霊がしたい!」と

私に怒鳴ってきたのです。

普段は怒鳴ったりしない子

だったのですが

その時の私は、どうせ自分の役に飽きたのだろうと

ぐらいしか思いませんでしたので、

軽く聞き流して

弟と役を交代することにしました。

私は驚かされる側になったので

内心ワクワクしながら

玄関から家の外に出ました。

それは私が二十秒程、

外で数を数えていた時に起こりました。

家の中から突然、姉の悲鳴が

聞こえてきたのです。

私は姉に何かあったのだと思い

急いで家の中に入り、

姉の居た居間に駆け込みました。

するとそこには弟に首を

絞められている姉が居たのです。

その時、弟は小学3年生で

姉が中学一年生だったので

いくら女の子と言えども

姉の方が力はあったと思います。

しかし弟はそんな姉の

抵抗をもろともせずに

しきりに何かを呟いて

姉の首を締めていました。

私は怖くなりとっさに

弟に掴みかかり

弟を姉から引き剥がそうとしました。

しかし私の力でも

弟は引き剥がせ無かったのです。

私は苦しんでいる姉を

目の前にしながら

泣くばかりで

何もできませんでした。

しかし、その時もがいていた姉の足が

偶然、弟に当たったのです。

弟は後ろに勢いよく倒れて

動かなくなりました。

姉は苦しみから自由になり

安心したのか、

私を抱き締めてワンワン泣いていました。

私は弟に声を掛けたのですが

まったく起きる気配すら

ありませんでした。

息はしていたので

死んではいないと思い

救急車は呼ばずに布団を掛けて

寝かして置きました。

私と姉はどうするか話し合い

父と母に家に帰って来て貰おうと

電話をすることにしたのですが

おかしいことに父と母の

会社に電話を何度掛けても

留守電に繋がるだけです。

どうしようもなかった私達は

当時隣に住んでいた

大家さんの部屋に行くことにしました。

玄関に入れてもらい

大家さんに訳を話したのですが

両親が帰ってくるまで

待ちなさいの一点張りで

特に何をしたら良いのか

教えて貰えず、

姉と部屋に戻ることにしました。

私達が玄関から出ようとした時

誰のものか分からない

奇声と一緒に、ゴンッという

鈍い音が外から聞こえてきたのです。

私は嫌な胸騒ぎがして

急いで外に出ました。

外に出た私はなぜか分かりませんが

下の階が無性に気になったのです。

ふと下を見ると頭から血を流した弟が

倒れていました。

私はそれを見てからの

記憶がありません。

目を覚ますと病院のベッドに居たので、

弟は奇跡的に一命を

取り止めましたが

弟は落下の後遺症で

下半身付随になり、

車椅子での生活を余儀なくされることになりました。

退院後、弟に話を聞いたのですが

弟はあの時のことを

まったく覚えておらず

気付いたらベッドの上だったらしいです。

姉はその日から弟を怖がって

弟と一緒に居ることを

ひどく嫌がりました。

それを深刻に受け止めた

両親は離婚をして

父が弟を引き取り

母に私と姉が引き取られ、

すぐにあのアパートから引っ越しました。

それと、後から姉に聞いた話なのですが

弟が姉の首を締めている時

しきりに「次は殺す」と

言っていたそうです。

私は今大学に行っているのですが

未だに何があったのか

頭では理解できません

父と母の会社に電話が

繋がらなかったことも

両親に話しました

後日、会社の人にそのこと

を聞いたらしいのですが

その時間帯に着信は

なかったそうです。

姉が言っていた「次は殺す」

という言葉なのですが

次は、ということは

姉はいつか殺されるのでしょうか?

姉は恨みを買うような

人間ではなかったので

今となっては謎が残るばかりです。

長文をだらだらとすみませんでした(´・ω・`)

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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