短編2
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小さい手

当時同棲していた彼氏と些細な事で喧嘩した夜、普段はダブルベッドに一枚の掛け布団で寝ていたけどお互い譲らないまま寝る時間になってしまったので彼は毛布を、私は布団をかけて、他に寝る所もないのでしょうがなくダブルベッドで一緒に寝ていた。

夜中1時頃嫌な感じがして目が覚めた。普段なら

「なんか怖い感じする」

と彼を起こせば電気をつけてくれたり音楽をかけてくれたり抱きしめたりして気を紛らわさせて安心させてくれるけど、今日は喧嘩しちゃっていたから彼を起こすのがくやしかった。

我慢して寝ちゃおう。と思ったがどんどん部屋の雰囲気は悪くなってぎゅっと目をつぶるのが精一杯だった。

パチッという音が部屋のいろいろな所かした。

そしてパチッといままでで1番大きい音がした瞬間、体がずんと重くなっていっきに金縛りになった。

金縛りはあの部屋で同棲していた頃よくあっていたけどあんなにいっきにきたのははじめてでかなり動揺した。

しかも普段なら全身うごかないのに今回は肩からしたの左腕だけ自由が効いた。

もう悔しいとかいってる場合じゃないから必死に彼の手を手探りで探して握った。

ベッドにどんどんたたき付けて起こそうとしたんだけどなかなか起きてくれない。

あー!!!!おきてよー!!!

と思って強く握りしめた瞬間、ある事に気づいた。

手が小さすぎる。

子供?赤ちゃん?

てか誰の手?

全身に鳥肌がばぁぁーと立ち汗が吹き出した。耳鳴りがキーンと鳴り金縛りがとけた。

いままでで1番はやいダッシュで部屋の電気を付け彼を見た時、また鳥肌が立った。

彼は毛虫のように毛布に包まって手なんか完全に毛布の中だった。

もう絶対喧嘩しても寝る前に仲直りするって心に決めた夜だった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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