中編5
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続心霊観光

坊主の背中を早足で追う。

心なしか坊主も早足だ。

車の前で坊主は

喝!

その気合いが入った声で私の鼓膜がキーンと耳鳴りがした...

重低音の音楽を スピーカーの前で聞いているみたいに 体が震えた...

私の気合いと全然違う。

流石 坊主!

車に入り 坊主は無言で車を出した。

しばらく走って 坊主は

「見たか?」

私は 「うん..」

それ以上は話さない。

私が見たのは トンネルを鉄板でふさいで、いるんですが 鉄板は長方形で トンネルは かまぼこの形。トンネルの上の部分がポッカリ空いています。

そのポッカリ空いてる暗闇から

顔を出している数々の霊が見えるのです。

私達を見下ろしています。

トンネルからはい出て お経を唱えてる 坊主の顔を正面から覗きこんでいる霊..

イロイロな霊がいたので 全部言ってたらキリがない。

ただ、その中でひときわ憎しみが強く 半分鬼になっている霊がいた。

車に向かう坊主と私の後を追って 鬼に気づいていた坊主は 一喝!

鬼は金縛りにあったように 動かなくなり その隙に車に乗り..私は鬼が見えなくなるまでバックミラーで見ていました。

坊主は音楽をつけた..レッチリが流れる 私はそんな気分じゃない!

その横で 坊主は歌い出した。

レッチリを..

そして 坊主は

「大丈夫! あきらに憑いてないから」

と私の肩を叩く...

凄い痛かった。

次の 目的地が見えてきた。廃墟だ しかも一つじゃない!

有名な生駒山廃墟群!そこは廃墟が多数存在していて、廃屋の下から竹が突き出ていて 歴史を感じさせる。あたりは真っ暗で車のライトで数々の廃墟が薄気味悪く うかびあがる。

車で行ける所まで行きました。

あぁ 早速、見えた..遠いのではっきり見えないが、

男性が立っている。

近付くと その男性が立っているんじゃないと気づく。浮いている..いや浮いているのではない!

首つり死体だ!

私はガラにもなく 取り乱しました...

「警察に電話を!」

携帯を出した時 坊主は。

「落ち着け!! ホトケさんやけど 肉体はもう無い! ただの地縛霊や..」

坊主は車から降りた。私も嫌々、坊主の後を追った..すると

無数の首つり自殺の 地縛霊が、ぶら下がっている。

異様な光景に、全身の毛が逆立ち 鳥肌が...

坊主は御幸水と線香を供えて 供養をはじめた。

そしたら地縛霊が 一体 一体 消えていく..

坊主のお経だけが 廃墟群に響く。

地縛霊がぶら下がっていた、木を見るとロープだけが たれ下がっている。

ここは首つり自殺の名所らしい..

供養が終わり、坊主が

「ここも毎年 供養してるが まだまだ時間がかかりそうや.. まだあるから行こうか。」

私は坊主に

「毎年一人で供養してるなら なんで俺を連れてきた!」

「.......」坊主は答えない。

私は「...帰ったら たらふく酒をオゴってもらうからな!」

坊主はイイ笑顔で「ちょうどお布施が入ったばっかりや!

まかしとけ。可愛いお姉ちゃんが、いてる店に連れて行ったる。」

っと歩きだした..私はついていく。

懐中ライトが廃屋を照らす。霊が隠れるようにして逃げる..

私は「供養せえへんの?」

坊主は「あきらはまだまだやな !よう見てみ..動物霊や!」

よく見たら、あぁ..変な形をしている.人間に見えるもの 手が沢山あるものはまるで阿修羅像に見える.

坊主は「低級霊は 人を騙しよる。神になりきったり 人になりきって 取り憑いて呪う。ワシがいたら大丈夫や!カッカカカカ...」

「お前は阿修羅マンか!変な笑い方しやがって」

とツッコンでも虚しい。

目的地に着いたらしい、そこは なんの為の建物か外から見ただけでは、まったく解らない。坊主は自分だけ塩で体を清めた..

一階に入ると 洞口になっている。

二階にどうやって上がるの?と思ってると 坊主は一人で歩きだす。

二人の足音が洞口の様な長い廊下に響く。

扉がある 扉をあけたらそこは広い部屋になっていて、祭壇らしきものが奥にある。

沢山の霊が座っていた。その霊達は怒っているもの、泣いているもの、笑いながら奇声をあげているもの..

坊主はかまわず、御幸水と線香 ロウソクを供えて 私達の回りを塩で囲った。供養が始まった。

1時間ぐらいたった時 泣いている霊が消えだした..

そして笑いながら奇声をあげている霊が消え..

最後に怒っている霊が消えだした時 建物全体が震えた..

低い唸り声が 聞こえてきた。

よく見ると霊の中に 僧侶の格好をしている霊が見える。

私には優しい顔をした僧侶に見えるが..

坊主のお経を唱える声が でかくなる。

そして僧侶、以外の霊が消えた。

坊主は「毎年 供養しに来るねんけど、こいつだけは最後になったら逃げるねん、それどころか 成仏できない霊を集めよる! 」

坊主はデカイ声で

「あきら!」

私はびっくりした!

いきなり坊主に肩を押された!

私はころげて塩の囲いをでた...

何が起きたか解らない私は、あっと言うまに僧侶の霊に取り憑かれた。

最後に覚えているのは

優しい僧侶の顔が近づいてきて 肩をつかまれた!

僧侶の顔は口が裂け 目は怒りにみち 黒目だけになっていく..真っ黒な目に吸い込まれるよう 気を失う。

「おい! あきら!!起きろ。あきら!」

と聞こえてきた..目が覚る。まだ目が霞み、ボーとするとこを

拳で顔を殴る坊主....

怒りが込みあげてきた!

坊主を殴りかえした..

坊主は笑いながら ..

「ヨシヨシ..」

私は「何がヨシヨシやねん!?」

坊主は「いやなぁ...あの僧侶 最後に逃げよるから 取り憑かれやすい お前を連れてきた!

お前が僧侶に取り憑かれてる間に 供養してん。それだけや。」

私は「何がそれだけやねん!先に言えや!」

坊主は「先に言ったら お前は逃げるやろ..」

ため息しかでなかった...

外に出たら朝になっていて...腹立つぐらい空は晴れていた!

知っている人は少ないですが、その建物はある宗教団体が所有する建物で、集団自殺した現場でもあります。以上です...

つまらない話を最後まで読んで頂きありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 怪奇現象君さん  

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