中編5
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生き霊 弐

遅くなってすいません、つづきです。長分ご了承下さい。

旦那に話をする以前に自称霊感有りの友人祥子に相談をしていて、無知な私でもあれは”生き霊”と言うものだろうかと考えていました。友人も

「生き霊だね・・・・・・生き霊は飛ばしてる本人は無意識だからたちが悪いんだよね。しかも子供だと無邪気で純真な分、厄介だよ・・・・・・」

今ではテレビの心霊番組などで耳にする話ですが、その当時は詳しい事も分からずこれは本気で霊媒師やら住職に頼るしかないと思い始めていました。

目だけの幽霊?から数日の夜、その日は旦那が夜勤で一人だったのでベッドの近くにあるステンドライトを点けて寝て居ると息苦しさで目が覚めました。

ズシッと体が重くなったと思ったら体が動かなくなり胸に圧迫感。天井を見ていた私の視界にも胸の辺りで”何かが居る”事がわかりました。

ズルズルと這い上がって来たそれは私の顔を覗き込んで来た。

なっちゃん・・・・・・

ランプを点けていた事に凄く後悔しました。気休めにと点けていたランプのせいでいつもはっきりと見えていなっかたなっちゃんの顔が至近距離ではっきり見えてしまったからです。

キョトンとした愛らしいはずの表情に人間では無理であろう程に見開かれた目のせいで異様な顔になり口はパクパクさせていました。

恐怖のあまり泣き叫びたくても声がでない。

微かになっちゃんの声が聞こえてきました。

「おちちゃ・・・おちちゃえば・・・おちちゃえばいいのに・・・・・・」

意味が分からずこんな時に一瞬(どういう意味!??ベッドから落ちればって事?!)と考えているとさっきより胸辺りが重く息が苦しくなりそのまま気を失いました。

ここからは夢の中だと思っています。私の部屋で目を覚ますと、さっきの事は夢だと思い(嫌な夢見たなぁ)と起き上がるとドアの前になっちゃんが立っていました。

なっちゃんは歯が見える程大きな口を開けて「助けてぇ~」と言っている。

ビックリした私は「どうしたの!?」と近づくと大きく開いた口から頭に1周ロープが巻き付いていて、(助けなきゃ!)とロープに手を掛けようとすると、なっちゃんの肩が上下に動き始め(なんだ??)となっちゃん顔を良く見ると

笑ってました・・・・・・

声は聞こえないのに歯は全部見えるかって位大笑いです。子供なのになんともいやらしい目をしていました。意味が理解出来ず、ぼ~としていると突然女の人の声で

「駄目ー!!!」

と聞こえたかと思うと眩しい光が部屋を包み込み

次の瞬間にはベッドの上で天井を見上げていた。

何が起こっているのか理解できず、暫くベッドの上で自分の身に起こった事を整理していました。

本当にその時は何が現実で何処までが夢だったのか解らなくなっていた。

朝一で友人祥子に連絡取り、午後なら時間が取れると言う事でお寺への付き添いをお願いするつもりが、知り合いの霊媒師を紹介したいとの事で待ち合わせの場所に向かいました。 

祥子と落ち合い霊媒師さんの家に着くと門の前で丁寧に出迎えてくれ、私が想像していたよりもずっとおばあちゃんで刻まれたシワをくしゃっとさせて微笑むその顔に心が

すうぅっと和んだ事を覚えています。

奥の部屋へ案内して貰い軽い挨拶の後さっそく霊視が始まりました。

私しか知らない事も言い当て鳥肌が立ちました。

霊媒師さんの話をまとめると以下の内容です。

確かになっちゃんの生き霊が憑いている。相手は無意識で飛ばす為今日お祓いしても今後憑かない保障は無いし個人によって違う為明日かも知れないしそれは分からない。

なっちゃんのお父さんと歳が一緒の旦那に同じ感情を向け始め、寂しさから次第に独占欲が湧き私の事が疎ましくなった。

幼い心にこの感情は難しく私の事が嫌いというのとも違い簡単に言うと子供の悪戯。完全に私を苦しめたい傷付けたいという感情は無く、私が金縛りに遭ったり息苦しかったりしたのは波動に引き寄せられて来た他の霊のせいであること。

(そういえば、最初の頃は金縛りに遭う事は無かった・・・・・・)

体と精神が弱ってきたので霊障も受けやすくなってたみたいで、私には他に3体憑いていて、いつもなら何の支障も無いはずが低級霊の霊障を受けやすくなってたみたいです。

一番驚いたのは、あの”目だけ”の幽霊・・・・・・

あれは私を守ろうとしていた先祖霊だったそうでインターホンが鳴った時玄関には私のマイナス波動に引き寄せられて来た浮遊霊が居たそうで入って来れないように敢えてあの姿で威嚇していたみたいですが・・・・・・人間の私から見たらなっちゃんより恐ろしかった。

毎夜私を守っていてくれたみたいで(夢の中の女性の声も)結果軽い霊障で済んでいたみたいですが、たいして先祖のお墓参りに行くわけでも無く守られていた事に不思議だったんです。その事を訪ねると私がいつも枕の下に置いてあるおばあちゃんから貰ったお守りが効いていたようで、自分で買うより貰う方が念も入ってる分効きやすいとの事。いい方にも悪い方にも・・・・・・

お祓いが済んだ後に護符を戴き結界の張り方を教

わり一通り終え帰る車の窓の外で見送る霊媒師さんが手を振りながら

「お腹、冷やさんようにな! 天からの授かりもんもう降りてるから」

と笑顔言われ最初意味が分からなかったですがもしやと思い次の日産婦人科を受診してみると妊娠3ヶ月でした。具合の悪さの一つの原因だったのではと思うのと同時に、なっちゃんが言ってた「おちちゃえばいいのに」って私のお腹から堕ちちゃえばって事だったのではと解釈すると子供って素直な分恐ろしいなぁと思いました・・・・・・

現に親戚との集まりの席でご懐妊の報告をするとなっちゃんが寄って来て耳元で

「知ってたよ。なっちゃんねぇ前に夢で見たの」

と不思議な事を言っていました。

護符と結界の御陰か夜な夜ななっちゃんが来ることも無くなり安心していると昼間遊びに来たなっちゃんの顔がゲッソリ!

なんでも生き霊を飛ばしてる方も体力を消耗し疲れる。おまけに護符と結界のせいで、私に送る念はそのまま自分自身に返って来るので余計に疲れるみたいで・・・・・・無意識な分止める事も出来ない。可哀想ななっちゃん・・・・・・

所がある日なっちゃんの表情が全く変わったんです。なっちゃんのお母さんに聞いたところ、クラスに好きな男の子が出来たそうで、最初に出会った時の笑顔の可愛いなっちゃんに戻っていて泣きそうな程嬉しかったのを覚えています。

それからすぐ旦那の仕事の都合で県外へ引っ越しもう長い事会っていませんが、偶に姑からの電話でなっちゃんの話が出るとふと今でも思い出してしまう新婚当時のお話でした。

長分お付き合い頂き有り難う御座いました。

怖い話投稿:ホラーテラー 蘭さん  

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