30年近く前のホテルの調理場で働いていた時の「ご苦労様」って声を掛けてくれる実体の無いおばさんとのエピソードです。
相変わらず怖い話ではありませんので、暇潰しに読んで頂けたらと思います。
当時と現在では時代背景が違うので違和感を持たれるかも知れませんが、そのまま書きます。
季節も寒くなってきたので、再び昼間の掃除に戻りました。
相変わらず「ご苦労様」ってたまに声がします。
当時ゴミ置場に廃油缶(ドラム缶)が置いてあり、古くなった油を溜めて置くところがありました。
各調理場の人が油を棄てに来るのですが、こぼして行く人がいます。
ゴミ置場は床や廃油缶がベトベトになります。
私は上司に相談すると、何日かして化成ソーダが届きました。
上司からは「劇物だから気をつけて」と言われ、先輩からは「水で薄めて使えば大丈夫だ」と言われました。
私はどのくらい薄めて良いのか分からず、とりあえずゴミ置場に持って行きました。
適当にバケツに水を入れて、化成ソーダを入れました。
なんか熱を持ってきました。
デッキブラシにその液体を着けてこすりました。
あまり効果が無いので、化成ソーダを足して液体を撒きました。
凄く効果がありました。
しばらくするとホテルが騒がしくなりました。
駐車場のおじさんや用事があって外に出たホテルの人が、目が痛いとか、喉が痛いとか言っています。
ホテルの人は私のところに来て「大丈夫か?」と聞きました。
私は濃密な液体の蒸気?空気?の中で掃除していて、なんともありませんでした。
何でみんな涙目になっているか分かりませんでした。
多分、今でしたら異臭事件とかでニュースになったかも知れません。
私は火傷の時もあったので、おばさんがなんかしてくれたのかなと、朧気に思った記憶があります。
当時私自身の問題で幽霊より怖い先輩から守ってもらった事があります。
季節も寒くなってきた小雨の降る日に掃除をしていて風邪をひいてしまいました。
臭いの件もあったのでジャンパーを着ていなかったのもあります。
扁桃腺が腫れてしまいました。
風邪をひいても仕事を休めるハズもなく、掃除をしていました。
別の調理場の年の近いコックさんから「ハッカタバコがいいよ。」と言われました。
今で言うメンソールです。
当時ハッカタバコは男性が吸うと色々問題があるとうわさがありました。
今考えるとバカですね。色々と…
私は掃除の途中一区切りがついたので、ドキドキしながら一服しました。
すると「誰か来るよ!」って声が聞こえました。
私は慌ててタバコを消し、ゴミと混ぜました。
数秒後先輩が段ボールを持ってきました。
ビビりました。
私「お疲れ様です」
先輩「 … 」
助かりました。
おばさんに凄く感謝しました。
あらためて、思い返して見ると、ゴミ置場のおばさんにはお世話になったと思います。
今度の休みにはハーゲンダッツを持って訪ねて行きたいと思います。
長々と怖くない話にお付き合い頂きありがとうございました。
あえて調理場での修行の話は書きませんでしたけど、おかげさまで(おばさん含め)店を持つ事が出来ました。
相変わらず下手な文章でスミマセン…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話