長編7
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回ってはいけない…

僕の住む地域には、絶対に三週回ってはいけないと言われる、噴水があります。

厳密にいうと、噴水というのは過去のことで、現在は水は出てなくて、雨水等が溜まった池のようなもので、一周20mもない、数秒で一周出来てしまう噴水です。

もう少し、詳しく噴水について書きます。 噴水は公園のような広場の中にあり、広場の入り口は東西に2つあり、それ以外は古びたレンガで被われていて、レンガの前には今では荒れた花壇があるといった仕様になっています。

中学3年の夏の終わり、男子2人女1人でつるむグループがあった。(A男B男C女、Aは強く好奇心旺盛で、Bはその舎弟、Cも好奇心旺盛でA、Bともに好いている、といった感じの3人)

3人は夏休み、することがなく毎日暇にして過ごしていたのだが、Cが先輩からこの『噴水』について聞いたらしく、夜に3人で行く提案をし、その準備をしようとして、昼に下見がてらに3人と先輩の4人、先輩の車で『噴水』に向かった。

車で約1時間、街中を離れ、山の中に向かって走って行くと、『噴水』のある場所の近くにつれて、『祠』のようなものがいくつもいくつも見られるようになった。

そして、山の中に入って10分くらいたったとき、ついに目的の『噴水』がある広場に着いた。

そこは、もう何年も人が入った痕跡がなく、駐車場はアスファルトのはずなのに、砂がおおいかぶさってアスファルトが見えないくらい砂が積もっていた。

先輩「やっと着いたな…場所はわかったやろ?んぢゃ、また夜に」

と言いかけた時、それを遮るように、

C「噴水まで見に行こうよ」

A「そーやな、まだ噴水があるとは限らへんし、明るいうちに場所確認しとこか」

先輩「んぢゃ、3人で行ってこいや、俺は車で休んでるわ。」

3人は先輩を残して広場のほうへ向かった。駐車場から徒歩数分、朽ちたレンガが見えはじめ、入り口が見えた。だが、入り口が普通ではなかった。

B「なんか入り口が変…っていうか昔に造られたもんやのに…」

他の二人は対して違和感は感じなかった。というより、早く『噴水』を見たかったからその他のものに興味がなかったのだ。

入り口に近づくと、ついに『噴水』が見えた。が、

B「やっぱり、入り口が変や!!周りに合ってない!!」

その入り口は、広場の周りと同様にレンガ調の門だった。凱旋門を小さくしたようなものと考えてもらうと想像しやすい。AもCも怪訝そうな眼でBを見ていた…

B「周りは朽ちてるのに、入り口の門だけ朽ちてない!!人が来てないのに異様に綺麗で変や!!」

そう言われてみると二人も不思議な感じに思ったが、気にせず『噴水』に向かうようにBに言った。

門から距離にして10mほどに噴水は位置していた。そこでも、

B「やっぱり変!!噴水の周りだけ草がない、人が歩いた形跡がある!!」

たしかに、『噴水』の周りだけは歩きやすいように草がなく、誰が通ってできたように道ができていた。広場のなかはレンガの周りには野花が咲き、ほかは雑草が生い茂っていた。

AとCが『噴水』の周りを調べていると、来た側とは反対への場所に、そこにも人が通って出来たであろう道が別の門へと続いていた。

しかし、そっちの門は入ってきた門よりも遠くにあり、見た目も朽ちている、門の奧には草木が茂っていて人が通った形跡はなかった。

Bは『噴水』を調べることはせずに、早く帰りたいという態度で、『噴水』を見ている二人を待った。二人は『噴水』の周りを数分調べていると、遠くで

先輩「おい!!早く戻ってこい!!もう帰るぞー!!」

と、声がしたので3人は戻ることにした。AとCが

「特に何もなかったよね…、ってかなんのためにここに作ったんやこんなもん、山の中に西洋的なもん」

と話していると、Bが

「噴水の真ん中、なんか淋しかったよな…台だけで…」

A「たしかにな…」

C「でも、似たような台なら、広場にもいくつかあるよ」

見回すと、草に隠れてたしかに、いくつか台があった。だが、その広場の台には『何か』が乗っていた。遠くからでは詳しくは確認できなかったが、3人ともが認識はしていた。

先輩の待つ駐車場に戻ると先輩が「調べてたみたいやけど、三周してないやろな?三周したやつは…」っと冗談混じりで言ってきたが、3人は回らないように注意していた。

C「三周は夜や」

と、言って車に乗って街に戻った。

ようやく夜になった…

3人は『噴水』へ向かう支度をしていた。AとCは楽しみにしていたが、Bはあまり乗り気ではなかった。異様な感覚を覚えて少しひよっていた。

夜10時、先輩に連絡を入れて『噴水』に行く最後の準備を終えた。

先輩が着き、『噴水』へ向かった。車内では、先輩も一緒に行動するかどうか、という話題になっていた。先輩は車で待機するということになると、Bも「車内に残りたい」と言いだした。AもCも「どんなけびびってんねん」と言いながら談笑していると、車は山に入った。

山に入ると夜ということもあって、やはり少し不気味な感じだった。例の『祠』もいい感じの雰囲気を出していて、車内4人は言葉数も少なくなっていった。

と、急にBが

「昼間よりも祠が多い…なんか時間もかかってない?祠も20個はすぎたよ?」

と言いだした。たしかに、時計はすでに12時を示していて、昼間よりも時間がかかっているようだった。

だが、Aも先輩も「夜は昼より暗いからスピードが出しにくくて時間がかかってるだけや」と言ってきかなかった。

ようやく駐車場についた。だがBは車から降りようとはしなかった。AとCは無理やりBを連れだして『噴水』へ向かった。先輩は、

「10分くらいで戻れよ」

と言って、車で寝はじめた。

駐車場から入り口の門へ、その数分でもBは異様に怯えだした。AとCは怯えるBを笑い者にしながら『噴水』へと向かった。

が、入り口の門に着いたとき、Bが急に言いだした

「門が…門が綺麗になってる…周りのレンガも直ってる…」と。

あたりはすっかり暗く、月明かりに照らされているのみだが、レンガが綺麗になっていた。そのことにはAとCも気付いたが、見間違えだと言い聞かせて『噴水』へ向かった。

またBがいう…

「噴水まで遠くない?」

AもCも笑いながら

「B、びびりすぎ」

「暗いから進まなく思うだけ」

「まだ数分も経ってない」

と言って気にしなかった。

『噴水』につくと、AとCはどのように回るかを相談しはじめた。二人は恐怖心もあったが、別々に反対方向へ『噴水』の周りを歩きだした。もちろん、Bはスタート地点で待機。

二人は回り始めて、一周し、Bの元へ戻ってきた。Bはうつむいてただ待つのみで、AもCも笑いながら通過して二周目に入った。

そして、運命の3周目へ。

先に3周を終えたのはCだった。CはBのとこへ着くと、

「あれ?Aは?」

B「え?まだ回ってるんぢゃ?反対で出会わなかった?」

C「え?反対?」

B「そりゃ、同じ道通ってるんやからいつかであうでしょ…」

C「あっ…」

Cはようやく異変に気付いた。たしかに同一の道だ。なのに、Bのところ以外ではAには会ってない。それは一周目、二周目も同じだった。CはこのことをBに伝えた。そのときだった。反対からAがやってきたのだ…

すぐに、BとCはAを連れて走って車へ向かった。Aはまだ事態がわかっていなかった。BもCも「とにかく走れ!!!」のとにかく一点張りだった。

歩いて数分もかからない道が、走っているのにあの門が見えない…その時、Aも不思議に思い始めた。

3人は走り続け、ようやく門が見えたのだが、近づくにつれてBが「門が朽ちてる…」と叫ぶとAとCが止まった…

Bも止まる…

AとCのほうを振り向くと

B「早く戻らないと…え、ふ…ふ…」

といってる最中、AがBの話を遮って

「その門、逆の門や!!来た門と違う!!」と、

Cも

「B反対や反対!!」

と言っても、Cは戻ろうとはしない…

「はよ来い、逆や!!逆!!」

「反対やって!!」

叫ぶ中、Bが言った…

「後ろに…噴水ある!!後ろに…なんかが歩いてる!!」

なぜか、叫ぶ中でも、AとCにはそのBの声は聞こえた。二人は振り向いた。そこには走って離れたはず、あってはいけないはずの『噴水』があり、いてはいけないはずの『何か』がいた…

AとCはBを連れて走り、門をくぐった。また、広場だった。

振り向くと、門があり、門の向こうには草木が茂っている…その中には、まだ『何か』が追いかけていている。

3人は走った。場所はわからず、駐車場に…車に向かって…

3人がもう走れないくらい走ると、ようやく『噴水』に着いた。3人は不思議に思いながらも、後ろから来る『何か』から逃げるために走ることを止めれなかった。

『噴水』を越えて…『門』を越えて…『噴水』を越えて…『門』を越えて…

3度目の『噴水』に着いたとき、Bがあることに気付く。

B「噴水の真ん中、台ってなんもなかったよな…。」と…

二人も『噴水』の真ん中を確認する…「えっ」二人は自然と漏らした。真ん中の台にうっすらと『子ども』ような影ができているのだ。

三人とも足を止めた。後ろを見ると、やはり『何か』が着いてくる。

三人はまた走りだした。考えながら走る、『何か』が何かを考えながら… 「子ども?」いち早くBが問いかける… 二人とも、その問いかけに否定も肯定もできずに走っていた。

また『門』が見えてきた…

でもやはり朽ちた門…

入り口ではない門…

三人はどーしたらいいか考えながら走ってると、

「おーい、10分経ったぞ!!!はよ戻ってこい!!帰るぞー!!」

前の門から先輩の声が聞こえる…

近づくにつれて門が綺麗になる…

門が直っていく…

門を通ると駐車場に着いた。3人を呼ぶために広場付近まで行っていた先輩は三人の姿を見つけると慌てて車に戻り、エンジンをかけた。

三人はさらに慌てた。こんなとこに置いていかれたらたまらない。さらに後ろに『何か』がいるというのに…

三人は進みだす車になんとか乗り込み、先輩は急加速して、帰路についた…

続く…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん

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