短編2
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…家主…

2回目の投稿です。

以前『…影…』を投稿させていただいて、コメを頂いたので、また昔の実体験を話させていただきます。

あまり怖くはないです。

これは私が小学1年の夏休みに体験した話です。

その日は良く晴れていて、私は夕陽が差し込む部屋で、思い出せませんが1人で何かをして遊んでいました。

すると、日当たりの悪い隣の部屋から物音が聞こえたんです。

といっても、そんな大きい音ではなく、何かがゴソゴソと動くような地味な音。

その時、家には母しかおらず、台所で夕飯の支度をする音がずっと聞こえていました。

本来なら怖がるところですが、私はなぜか普通に襖を開け、隣の部屋へ入りました。

明かりは襖の開いたところから入る夕陽のみで薄暗い閉め切った状態でした。

部屋の真ん中に立つと音は床の間からだと気付き、目をこらして床の間を見ました。

すると、床の間においてある陶器の置物や酒のビンが、右へ左へ、不規則にズズッ…ズズッ…と微妙にずれて、それが音を出している事がわかりました。

でも、なぜ動いているんだろう。

そう思って床の間の手前の畳に目をやると、私は腰が抜けてしまいました。

直径8cm程のありえない太さの蛇が、床の間の奥の方からこちらに向かって這ってきていました。

見えている部分だけでも長さは3~4mはありました。

不思議なもので、普段ならなんでもない事で大声を出していた年頃でしたが、その時には声を出しませんでした。

というか、心のどこかで、台所の母を呼んだところで、巻き添えにしてしまうと考えていたように思います。

部屋の入口は蛇の後ろに位置し、逃げ場がないと知りながら、必然的に部屋の奥へと私は後退りしていきました。

そして、薄暗い部屋で畳の上で動いていた2つのギラギラした光が、私の目の高さまで上がり、もうダメだと思った瞬間、それは動きをとめ、床の間の奥へ消えていきました。

私はすぐに台所の母を呼び、『床の間の奥に蛇の巣がある』と必死に今起きた出来事を伝えました。

が、その後、帰宅した父と床の間を見たところ、穴らしきものは一切なく、結局私の見間違えという結論で終わりました。

私自身、あれは家の主?だったのかなぁとか勝手に解釈していました。

が、その数年後の大掃除、弟が床の間の掃除担当で『うわ、懐かし!昔、金が溜まると思って良く集めてたわ!汚っ!笑』と言うのが聞こえてきてゾッとしました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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