中編4
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廃病院

初投稿です。有名な話でしたらすいません。

僕が住んでいる○県には取り壊されて無くなりましたが、地元では有名な心霊スポットとなっていた廃病院がありました。

そこに行くと必ず自分のカルテが置いてあり、持ち帰ると潰れたはずの病院から電話が掛かってきて

「三日後に取りに行く」

と言われる。というのが噂されていた話。実際に行き電話が鳴り、お祓いに行ったという知り合いもいました。

ここからが友達に聞いた話で創作かもしれませんが、僕が聞いた中ではこの病院に纏わる話で一番怖かった話です。

夜9時その日はAの家に友人B、C、Dが来ていて遊んでいました。そして話がその廃病院の話になり、

B「幽霊なんかいるわけないだろ。」

C「いたとしても勝てるって!おれがやってやるよ」

D「いや!おれがやってやる!」

A「じゃあ行ってみるか?ビビったやつは帰りに飯奢ることな!」

という話に。誰一人怖がることもなく廃病院に行くことになりました。そして4人で家を出ようとすると、

「どこ行くの?」

Aの弟aが聞いてきました。

A「○○病院。悪霊退治だ!」

a「マジで?おれも連れてってよ!」

A「飯代持って来いよ。」

a「…どういう意味?」

そして弟を含め5人で行くことになり、人数分の懐中電灯を買い揃え病院へ。有名な場所ですんなりと到着しました。

B「ここが○○病院か。雰囲気でてんなぁ。」

C「え?Bビビってんの?ゴチ!」

B「ビビってねぇよ!早く入るぞお前ら!」

D「じゃあ早速入ろうぜ。」

全員「おう!」

そう言って病院を囲っているフェンスを越え、中に侵入。Bが言うようにいかにもな雰囲気。夜10時頃で当然真っ暗。だけど彼らは基本的に幽霊を信じていない&いたとしても勝てると信じるヤンキー君達。いよいよ病院の入り口へ…

D「じゃあ入るか。」

誰からという訳でもなくどんどん入っていく。

診察室…

レントゲン室…

手術室…

トイレ…

普通なら腰が退けてしまうであろう場所もおかまいなし。余裕で煙草を吸いながら歩く。

B「1階もう終わり?何も無かったな。」

A「そうだな。手術室にメスがあったぐらいで噂のカルテも無かったな。」

D「まぁそんなもんだろ?早く2階行こうぜ!」

階段を上がり2階へ…

ほとんどのガラスが割られているうえに真っ暗。だがおかまいなし。ガラスをパキパキと踏みながら歩く。

個室を一部屋ずつ開けていく。風が吹きつけ、カーテンが揺れる。

が、肝心の幽霊は出ない。

2階に続き3階、4階。

何もおこらない。

C「おれ飽きた。怖くもなんともねぇ。」

A「だな…帰るか。」

B「っていうか誰かビビれよ!タダ飯喰えると思ったのに!」

a「もしかして賭けてたの?」

A「あぁ…お前に飯奢ってもらうつもりが。」

a「馬鹿にすんなよ!こんなの怖くねぇよ!」

A「ごめんごめん。とにかく腹減ったし帰ろうぜ。」

階段を降りて入り口まで戻ってきた。もうすぐ夜中の12時。さすがにみんな腹が減り「何食べる?」など他愛もない話をしていると。

「ごめん。」

aだ。「どうした?」とAが尋ねると。

a「ライター忘れてきた。たぶん手術室だから取ってくるよ。」

A「ライターぐらいほっとけよ!みんな持ってるし使う時借りたらいいじゃねぇか!」

a「それが彼女にプレゼントしてもらったやつなんだ。なくすとヤバいし…」

A「…面倒だからここでまってるぞ。」

「わかった。」と言ってaは奥へと歩いて行った。

どうせビビってすぐ戻ってくるだろ。とAは思っていた。

…5分。

…10分。

一向に戻ってこない。

B「Aさすがに遅すぎねぇ?」

確かに…正直すぐに戻ると思っていたが遅すぎる。

A「みんな来てくれ!」

Aが走り出す。B、C、Dが後を追う。

無事でいてくれ!そう願いながら手術室に向かう。

バンッ!

ドアを開けた。

が、遅かった。手術台に寝かされaは息絶えていた。

腹にはメスで切り裂かれたような跡。そして血の付いたメスが無数に落ちていた。

泣き崩れるA。しかしそれどころではない。B、Cが抱え手術室を出る。

D「走れ!」

入り口めがけとにかく走る!何かが追いかけてくるわけでもないが、とにかく何かがいるはず。そんな思いで走った。

入り口を出てフェンスを越える。振り返るが何もいなかった…

病院から少し離れたコンビニにたどり着いた。泣き続けるA。B、Cは慰めDが警察に連絡。

長い事情聴取が終わり、みんな疲れ果てていた。そんな中、何かを思い出したようにAが言った。

「そういえばa煙草吸わねぇ…」

怖い話投稿:ホラーテラー ねずみ男さん  

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