中編3
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納得

私の友人が体験した話です。

駄文かと思いますがなるだけ簡潔に。

実話です。

友人の光彦(仮名みつひこ・男)は高二の夏に祖母の家に泊まりに行きました。

祖母の家は畑のど真ん中にあり、かなりの田舎です

まぁ沖縄なんでどこも田舎ばっかなんですが

佐敷(さしき)という町なんですがこの地には色々と幽霊が出たなどの話があります。

俺自身、佐敷をバイクで走っている最中に両肩にガシッと手を乗せられた感触を味わった事があります。

まぁそれはいいとして

光彦は夕方頃に祖母の家に到着し、祖母と一緒に夕飯を食べ、まったりと会話と楽しみました。

久しぶりに会う祖母との会話には積もる話も沢山あり楽しく、あっという間に時間が過ぎ時刻は夜9時、気付けば祖母は少しウトウトしています。

お年寄りは早寝早起きだよなーと思った光彦は、祖母のために襖から布団を出して眠るしたくをしてあげたそうです。

祖母は優しく育った光彦を見て幸せそうに笑顔で床につきました。

光彦は夜更かしが大好きなのでそーっと部屋を出て自転車で散歩をする事にしました。

近くに海もあるので夜風には潮風が混じる

気持ちがいいなぁ と幸せな気分で畑道を走っていると

前方に誰か人が立っているのが見える

その人は髪が長くスレンダーな事からすぐに女性だとわかりました。

光彦は気分が凄く良く、フレンドリーな気分になっていたため、

普段はシャイで女性と目もまともに合わせられないタイプなのに、ちょっと話しかけてみよう!と思ったそうです。

光彦はじっと畑を見つめる女性の側まで行くと、驚かせないように優しい声で

『こんに…こんばんわぁ…』

と、ドジりながらも声をかける。

女性は光彦が近づいてきていた事に気付いていたようで、驚かずに笑顔でニコッと返しました。

近くで見るとすっごい美人さん。光彦は続けて、

『は…畑っていいですよねぇ』

と頑張ってみる。

しかし女性はまたもニコッとだけ笑顔で返す

光彦は言葉を発しない彼女に疑問を持つが、その笑顔があまりにも可愛かったので拒否られているわけではないなと思い、自転車を降りると一緒に畑を見つめ始める。

会話は無いんだけれど何故か気まずい空気などは流れず、

草むらから聞こえるコオロギの鳴き声だけが優しく響きわたっていた。

優しい表情で畑を見つめる女性の横顔を覗いてみると、誰かに似ている……あ、歌手のcoccoに似てる!と気付いたそう

本物…じゃないよな…ここ本島だしまさか居るわけ…と一人で阿呆していると

さっきまで一言も発さなかった彼女が口を開いたそうです。

なにを言うのかとドキドキして待つ光彦

しかし光彦はこの後、女性の一言に愕然とします…

女性が発した言葉は

『ミャゥウウ…』

と鳴いたそうです

猫の声真似とかじゃなく猫の声で。

というかわたし猫ですみたいな

光彦はあまりの予想外な出来事にピクリとも動けず、まるで金縛りにあったかのように棒立ち。

女性は光彦の方を見るとまた笑顔でニコッとして

畑道の奥に向かって歩いていきました。

光彦は落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ、なんとか自転車に乗り、祖母の家に帰り水を飲んですぐ布団に潜り込んだ。

翌朝、祖母に昨日の夜の出来事を話してみると祖母は笑顔でこう答えた

「みーつーが会ったその女の人はさ、ミィミっていう猫、近所の畑主んとこのおじさんが飼っていたけど去年亡くなったわけ。

おじさんの畑で眠るようにね。

ミィミは化けてこの畑を守る事がおじさんへの一番の恩返しなんだって思ったんじゃないかな?

私も一度彼女に会ったけどミィミってすぐわかったさぁ

会話はしなかったけどねぇ

みーつーが畑っていいねって言ったからそれに答えたんじゃないかな?」

光彦は驚きつつもそうだったのかぁと納得し、将来猫を飼おうと思ったそう。

あ、おわりですよ?笑)

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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