以前投稿した匿名釣り師です。
これは私が中学生の頃体験した話です。
中学2年の夏休みに県内の親戚の家に部活の友人数人と泊まりで遊びに行った時のこと。
その日はお盆過ぎの土用波の高い日でした。遊泳禁止とかいてあるにも拘らず、海岸で海水浴をしていた時のこと。
風も強く波も高い海でしたが、みんな波にのまれて泳ぐのを楽しんでました。(この時点で今思えば馬鹿ですね)
途中で私だけ沖に流され始めました。(今思えば離岸流ってやつですか)
突然の出来事に流石にびびった私は、友人達に「助けてー」と叫びました。その間にもどんどん岸から流されて行きます。多分40m以上流されたと思います。
そのうちに友人の中で一番水泳が得意で勇気と人望のあるA君が泳いで助けにきてくれました。
二人で何とか岸まで真直ぐ泳いで戻ろうとしますが、潮の流れも速く時々
高い波が来て真直ぐ泳いで帰れません。
A君は「潮と波に逆らって真直ぐ泳ぐと体力消耗するから、潮の流れに乗って斜めに泳いでいった方が体力消耗しないから斜めに進もう。」とアドバイスしてくれ その後 潮の流れに乗って泳ぐ事にしました。
また、高い波が来た時は無理して泳ぐと波にのまれ、海水を飲むと余計に苦しくなるのですが、
高い波が来た時は自分から先に 波の中に潜って鼻と口を塞ぎ、水中で波が低くなるまで我慢すると海水を飲まず、溺れにくくなる事に気が付きました。
しばらくして何とか海岸に並べてあるテトラポットに辿り着きました。
A君はテトラポットの上に乗り移って、私もそれに続こうとテトラポットにしがみ付き よじ登ろうとしますが 何かが私の足にしがみ付き なかなかよじ登れません。
部活の友人達もみんな心配して 私の周りに集まり、「大丈夫か? しっかり掴まってよじ登れ。」等と声をかけてくれますが、何かが私の足を掴んで離しません。
私は「 何かわかんないけど、足を引っ張られて上れない。」と説明すると 友人総出で私の腕を引っ張り上げてくれて何とか無事に安全な場所に辿り着きました。
その日はもう海水浴どころでなく 親戚の家に帰りました。親戚に海で流された事を話して心配かけたくなかったので、その話は全員黙っていました。
その次の日に 自宅に帰り、両親にそれとなく私が海で流されA君が助けに来てくれて助かった事、海から岸に上がろうとした時に何かに足を引っ張られ危なかった事を話しました。
すると私の父が詳しい場所を聞いてきました。
私が「 ○×海岸の遊泳禁止の海岸」と答えると
父の顔色が変わりました。
父は「 お父さんが子供の頃に親戚の従兄弟がその海岸で お前と同じ歳の時に亡くなっている。」と話しはじめました。
母は「すぐにA君の家にお礼に行き、その後先祖のお墓参りに行こう。」
と言い、 お礼とお墓参りに行ってきました。
その後 特に海に入っても足を引っ張られる事はなくなりましたが、最近岩場から滑り落ちた事があって (この話は【 釣りの話 】として投稿させてもらいました) 久々に命の危険を海で体験したので投稿させてもらいました。
それ以来 毎年欠かさず、父方母方の両方のご先祖のお墓参りにお彼岸 お盆など家族で行くようになりました。
また、お盆の時期には海や川に入らないように気を付けるようになりました。(実際 お盆の時期って海難事故って多いですよね。)
A君は その後 元々頭も良かったのもありますが、「自分は医者になって困っている人を助けたい。」という考えから国立の旧帝大医学部に進み 立派なお医者様になるべく 医学の研究に励んでいます。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名釣り師さん
作者怖話