短編2
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肖像画

中学の美術の時間に「クラスメイトの肖像画を描く」という課題の時、私のペアの絵がとても上手な子が異常なほどその課題を拒みました。

私は「じぶんが嫌われてるのかな‥‥」と少しヘコみ、思い切って本人に理由をたずねてみたのです。

彼女が「誰にも言わないでね」と泣きながら

教えてくれた理由はこうでした。

小学校のころ、彼女は体が弱くて入院していたため、「院内学級」というかたちで他の患者と勉強していました。

当時から絵が得意だった彼女は仲良しの子ができるたびに似顔絵を描いてあげていたことろ、描いてあげる子が次々と容態が悪化させ亡くなってしまったそうです。

そして4人目の友達を亡くしたとき、彼女は「もう二度と、人の顔は描かない」と決めたのだそうです。

「きっと、運のわるい偶然だったんだよ。みんな病気の子だったんだもん…

私なら健康だから、ぜったい大丈夫!

私を、描いてみてよ。

せっかく上手なのに、もったいないよ!」

懸命に励まして、やっと彼女に描いてもらった私は、ちょっと照れて緊張した顔でしたがよく描けていました。

もちろん私にはなにごとも起こらず、彼女とは高校卒業までとてもいい友達になりました。

それから11年後のある日、自分でも全くわけが分らないのですが、突然死にたくて死にたくて仕方がなくなったのです。

死ぬ方法はいくらでもあったと思うのですがなぜかその時、私は何年も使っていなかった「彫刻刀」を必死で捜していました。

古い絵の具や文房具などの入った画材箱をあけ、夢中で彫刻刀を取り出した瞬間。

その下から、忘れていた例の肖像画が現れたのです。

変色し、カビが生えつつ、何故か口が裂けるほど笑っている私の顔でした。

それを見た瞬間、私は一気に例の彼女の話を思い出し、また意識が混濁しそうになるのを抑えて当時のカレシに電話しました。

カレと一緒にお寺にいき、その絵を供養したところ、嘘のように死にたい気持ちは無くなったのですが、あれはただの偶然でしょうか?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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