中編3
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逆さ女

この話をすると友達に笑われるんだが俺的には洒落にならなかった話。

俺は夜更かしをするのが好きで今もだがその日も夜更かししながら暇でホラーテラーを見てた。

夜中の2時ぐらいだったかな。あー風呂入るかと思って洗面所に行くとうちの家は洗面所があってその下は両開きタイプの引き戸があるんだけどそこから長い髪の毛が一本はみ出てるのよ。

今思うとそのシチュエーションでもけっこう怖いんだけどその時は妹か母さんの髪の毛がピンポイントで戸に挟まったんかな?ぐらいにしか思わなかった。

そしてその髪の毛を引き抜いた瞬間

「あ」

て声がした気がした。一瞬ビクッてなったけどかなり小さな声?音?だったのでまあ気のせいか、ホラテラ読んで過敏になってるだけだろとスルーすることにした。

風呂に入って浴槽の部分に座って顔を下に向けながら髪をシャカシャカと洗う。俺のいつものスタイル。

シャンプーを洗い落とし目を開けさあ体を洗おうと思った瞬間、体が急に動かなくなった。

意味がわからず力を入れても全くダメで焦る俺。しばらくしてやっとそれが金縛りということに気付いた。

体は全く動かないけど眼球だけは動くことがわかった。この状況を把握しようと眼球を必死に動かす。

すると視界の上の方に自分ではない誰かの長い髪の毛があたかも天井から垂れているような形で存在することに気がついた。

それが最初は浮いてる形でゆらゆらと揺れていた。やがて髪の先は床につきその髪の持ち主が下降してきていることに気付いた。

やばいやばいやばいやばいやばい。このままじゃ視界に髪の毛の持ち主の顔が見えてくる。

まぶたを閉じようとするが眼球は動くもののまぶたを閉じることが出来ない。助けを呼ぼうにも声も出ない。

そう思ってるうちにも目の前のそれはゆっくりと下降してきていて女性の手と思わしき手が見えて髪の毛の大半ももう床についていた。

そして遂にその髪の毛の持ち主が俺の視界にゆっくりと顔を覗かせた。

その顔は恐ろしいぐらい肌が白くとても苦しそうに顔を歪ませた女性の顔だった。

俺と視線が合うと大きく口を開けてあああ~…ああ~…ああああ…と助けを求めるかのように苦しそうにうめき声を上げた。

パニックになりながらも自分でも意外だったが冷静な自分もいて、いかに今のこの状況から抜け出すかを考えていた。

その目の前の逆さになったそいつは苦しそうにああああ…とずっとうめき声を上げている。

そんな時ある方法を思い出した。それは何かネットか漫画で見た知識で金縛りにあった時は無駄に力を入れず逆に一度全身の力を抜いて一気に力を込めると金縛りが解けるという方法だった。

早速やってみることにした。力を全身抜いて一気に力を込める。

「……そぉぉい!!!!」

声が出た。その時、汚い話だが気合い込めすぎたせいか勢いよく出した声と一緒に大量のつばが出てそれが目の前のそいつの開けている口に大量にダイレクトインしてしまった。そいつは

あああ~…ああ…ああああ~…あ?…うぉえ…

と、えずくとスゥー…と消えていってしまった。

どうやら俺のつばは聖属性らしい。その瞬間、体がふっと軽くなって金縛りが解けた俺は猛ダッシュで浴室を出て全裸で母と妹が眠っている部屋に行きたたき起こした。

はぁはぁ…と言いながら夜中に全裸で母と妹の前で立ちつくす俺。

その後築き上げた人間関係が崩れかけたが何とか理由を話し信じて貰えた?と思う。

それからその幽霊とも遭遇することもなく平和に過ごしている。

自分では本当に洒落にならなかった出来事だけど今もこうして懲りずに夜中にホラーテラー見ている。

読んでくれてありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 紫蘇うめぇさん  

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