短編2
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贈り物

うちには二歳になる猫がいて、その子が私によく贈り物をくれるんです。

朝起きると、枕元に事切れたとかげとか、羽のない蝉とか、モグラが置いてあった事もありました。

ありがたいんですが、本当に鳥肌モノだし、足がバラバラになったカマキリを見た時は倒れそうになりました。

『ありがとう』とお礼を言い(顔はかなりひきつってますが)頭をなでてやると、ようやく満足して部屋を出て行きます。

その後、こっそり処分しますが。

その日も枕元に、大きなカミキリ虫みたいのが置いてあり、お礼を言って猫が部屋を出て行ったのを確認したあと、処分しようとチラシに獲物を乗せてごみ箱に直行しました。

そしてそれを捨てた瞬間、足元から

『え〜〜〜〜〜〜!?』

と声が!

驚いて見ると、そこには猫が…。

せっかくのプレゼントを捨てるとこを見られてしまったんです。

それにしても、『にゃー』でもなく、『ウナー』でもなく、本当に

『え〜〜〜〜〜!?』

って言ったんです!

(´Д`)←こんな感じに!

そしてバシバシっと2回、私の足を猫パンチしてから、ふんっと鼻をならして行ってしまいました。

それから一ヶ月、ことある事に謝り続けましたが、贈り物はなし。

嫌われちゃったかも、と寂しい気持ちでいましたが、今朝枕元に大きなバッタの死骸が置いてありました。

久しぶりに鳥肌が立ちましたが、嬉しかったです。

本当に、猫っていろんな事がわかってるんですね。

もう、猫の前で下手な事はできないな、と感じた出来事でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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