中編3
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神社でかくれんぼ

昔、小さい頃かくれんぼが好きでした。

放課後は必ず、鬼ごっこか、かくれんぼ、だるまさんがころんだをしていました。

いつものように鬼ごっこをしていました。

しかし、今日は塾がある人などが多かったので、かくれんぼに切り替えました。

男3人、女2人・・・

私はかくれるほうだったのでテンションを上げながらかくれました。

場所は小学校の近くの公園と神社が隣接しているような場所でした。もちろんステージは色々と変えるのですが、初めての場所だったのでワクワクしていました。

私たちのかくれんぼは、「もういいかい?」「もういいよ。」のやりとりをしません。声で大体の場所がわかってしまうからです。

「み~つけた」

いきなり見つかってしまった私。

見つかると、みんなが見つかるまで暇だし、次は鬼なので、ちょっと沈んでしまいます。

しかし、人数が少なかったので3分ほどでみんな見つかりました。

1から100めで数えます・・・98・99・100

「もういいよ」

00ちゃんかな?

女の子の声だったのでそう確信し、大体の場所を探す。

「なんで声だしたのかな?」なんて疑問に思っていました。

が、早く探したい私は、どんどん動き回って探しました。

声をわざと出すときの隠れ方は、鬼が見つけにくる前に先回りして、鬼が見つけ終わった場所や、数えた場所のちかくに隠れる難しいやり方です。

成功させた人がいないので、普通どおりに探します。

ふと、神社の一番隅っこにある、古いお札をいれる鉄の箱のような隠れ場所に目が行きました。が、そこには鎖をしているのでありえないと思い、中を探しませんでした。

そんなこんなで、あっというまに全員見つけ終わりました。

「00ちゃんなんで声出したの?」

「うそ~聞こえてた?」

「聞こえるよ。あんなに大きな声は」

「えっ?我慢したつもりなのに・・・」

ちょっと不思議でしたが、かくれんぼが再開したのですぐに忘れていました。

「何をしている!!」

いきなり大きな声がしたので見ると多分神社の管理人でした。

「ここは遊ぶところではない。早く帰りなさい。」

5時近くになっていたので、そろそろ帰ろう。ということになって帰りました。

そして二度とあそこで遊ぶことはありませんでした。

それから、中学に上がった私は彼氏ができて、その神社に寄ることになりました。もちろん、かくれんぼをしたりするメンバーの人でした。

神社と逆側の公園のベンチに座ると、神社をみて、彼氏が「久しぶりに行ってみようぜ」と言いました。

手をつないでいく私たち。

しかし、神社には誰もいない・・・

「やっぱりここではやってないのか」彼氏がガッカリする。

「もういいよ」

あの時の声が・・

少しビクりとしましたが、彼氏はまん丸とした目で私を見つめながら「まさか、ほかのやつら勝手に先に帰ってイジワルしたんじゃね?探してあげようよ。」彼氏がそう言うので探しました。

だいたい、どこに隠れるかなんて分かってるのでどんどん、隠れる場所を探しました。

「ヒック・・ヒク」

お札を入れる箱から泣き声が聞こえたのでその場所にいきました。

この中は絶対無理なはず・・・あれ?鎖はしているけれども鍵なんてない・・・誰かに閉じ込められてる?

あわてて、鎖を解き、中を見るとその子が泣いています。

「大丈夫?よくこんなとこに隠れたね」

するとその子は泣くのをピタリと止め、私を見ました。

腰を抜かした私・・・

女の子の目は泣きすぎたのか真っ赤

そして、にらみつけるように私を見て言いました。

「なんであの時みつけてくれなかったの・・・」

怖い話投稿:ホラーテラー はやしーださん  

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