短編2
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孫娘

中学の頃、近所の神社でよく友達3人でたまっていた。

そこは公園と神社がくっついてる作りになっている。

毎日夕方16時になると必ずお参りにくるバアさんがいた。

多分俺達がたまり場にする前からだと思う。

覚えたてのタバコ吸ったり原付きや単車をとめていたので近所の子供らも夕方は来なくなっていた。

今考えるとまわりの住人には迷惑で本当にバカだったとは思う…

バアさんだけは関係無しで毎日同じ時間にきて何か拝んでいた。

ある時、その日も友達と3人だったんだがあのバアさんはボソボソ何拝んでんだ?

ってことになり俺は1人神社の中に入ってバアさんを待ち伏せた。

時間通りバアさんが来た…

賽銭箱のすぐ裏で息を潜める。

「おかげさまで○○の病気も良くなりました。昨日は自分でごはんを食べれるようになりました」

誰か病気で神頼みか、なるほどね。

バアさん帰った後、友達とバアさんも大変だなーとか話してたんだ。

それからも毎日バアさんは来て拝んでたんだけど週1位で俺は盗み聞きしていた。

自分で歩けるよーになったとか、元気になってきたとか少しづつ良くなってるみたい…

どうやら孫娘っぽい感じだった。

4回目位かな?また盗み聞きしてたら

「元気になったからお礼をさせに明日連れてきます、ありがとうございます」

へー外に出られるようになったんだ…

気になって次の日も俺は隠れていた、バアさんがやってきた。

ベビーカーを押して来た。

気になって覗いてみたら気持ち悪い人形が乗っていた、キューピー?人形で赤ん坊サイズ。

目はマジックかなんかで真っ黒に塗り潰されていた…

賽銭箱の前で人形を抱き抱えてニコニコしている。

このバアさんボケちゃってんのか?と思ってじっとしていた。

一通り感謝の言葉を並べたあとに、

「ほら、○○ちゃんもお礼言いなさい」

俺は覗きながら黙って聞いていたんだが確かに小さい声で

「アリガトウ、アリガトウ、ゲンキニナッタ」

って聞こえた!

もちろん人形だからしゃべるはずない、俺は見ていた。

ばあさんが無表情で口をモゴモゴさせていたのを!

そう、腹話術だったんだ。

しばらく1人二役をやって帰っていった。

忘れられないのはばあさんが人形に話しかける時はニコニコしているのに人形役をやる時は無表情なんだよね…

笑顔、無表情、笑顔、無表情、笑顔、無表情。

マジ怖かった。

怖い話投稿:ホラーテラー キヨスさん  

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