今日も見た。いや、見てしまった。
俗に言う、お化け?霊魂?
科学者ならプラズマだの何だのと、言うんだろうか。
俺の家系には‘見える’ヤツが、2、3代に1人2人生まれるらしい。
不幸か幸運か、まぁ俺もその1人であって、色んなことを体験した。
それこそ、見えてよかったと思うこともあったり、今でも夢に出てきてはベットシーツを濡らすヤツもいる。(笑)
彼女の家で、ベットシーツに地図を描いた話もしたいが、場をわきまえて、
今日は一つ、今まで生きていた中で辿り着いた、ある考察を提案したい。
俺のじぃちゃんも見える人だった。
やはり、見えないモノを、見えない人と理解し合うのは難しく、
幼少期において、俺と同じモノが‘見える’じぃちゃんは、当時の俺にとって唯一の理解者だった。
俺はよく、焼死体が歩いているのを見かけた。
考察1:幽霊は、死の直前の状況で幽霊になる。
自動車事故の現場には、顔の潰れた人、病院では頬がコケて目の窪んだ人、老衰で死んだばぁちゃんはそのまんまやったし、パジャマ着てた。(笑)
話を戻します。
じぃちゃんに焼死体のことを聞くと
「あいどんは、戦争で亡くなった方々じゃろう。こん街は、一瞬で親族諸とも大勢の方々の亡くなったけん、成仏の追い付かんとやろう。
ワイも亡くなった方々ば想って、お祈りせんね。南無南無。」
じぃちゃん俺、カトリックだよアーメン、とか思いながら話を聞いていた。
話は続く。
「おいがワイんぐらいの時は、バンビ(?)ばよう見たなー。
どろだらけで、白装束もボロボロじゃった。」
じぃちゃんそれゾンビ。
その時は、ふーんとしか思わなかったが、ある時に、あるモノを見た。
近所のおじちゃんの焼死体だ。
そのおじちゃんは、近所で有名な‘アル中’だった。
毎晩毎晩酒を飲んでは、迷惑とは言えないぐらいの大きさの声で歌いながら近所をウロウロしていた。
酔ってない時は、あめをくれるなど良くしてくれていた。
ある日夜中に救急車が来た。急性アルコール中毒だったらしい。 それが原因で、ポッくり死んでしまった。葬儀にも参列したが、穏やかな死に顔だった。
それから、2、3日後だった。おじちゃんの‘焼死体’を見たのは…
死因は急性アルコール中毒だったのは、確かだった。
なぜ、焼死体だったのか。
思い当たるのは一つ。
火葬。
目が覚めたのだ。生き返ったのだ。焼かれながら。
信じたくはなかったが、それしか思い付かなかった。
死の直前の状況で幽霊になる。
これは俺のあくまで経験から得た推論にすぎない。
でも、もしこれが、真実であれば、俺は死ぬのが怖い。
たしかに、死後何日かして生き返るということはあるらしい。
それは、何千分の、いや何万分のという確率だと思っていた。
じゃー何故俺は、白装束を着た焼死体を毎日のように見る?
焼けただれていて、ほとんど白装束かどうかもわからない状況にあるのは確かだが、でも、あれは、絶対…
じいちゃんが見たゾンビ。
あれはもしかしたら、土葬の頃の…
俺は死ぬのが怖い。
考察2:死体は火葬中生き返ることがある。何千分の、いや何百分のという確率で…
怖い話投稿:ホラーテラー 罰天さん
作者怖話