短編2
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棟梁

兄貴の友達のN子さんの爺さんはとても頑固だ。

70才を超えてようやく引退したが最近まで大工の棟梁だった。

爺さんが頑固なのでN子さんとはいつも喧嘩していた。

ある日まだ現役の棟梁だった爺さんは、近所の農家の爺さんに仕事を頼まれた。

畑の近くには農機具や収穫した野菜を詰めるコンテナが置いてある小屋が在るのだが、そこにたまに都会の方から自殺するためにやって来る人がいる。

農家の爺さんの話によると、また小屋の梁にロープをかけて首を吊った人がいたらしい。

今回は親子の心中だった様で、子供を殺してから首を吊った様だ。

農家の爺さんは大変迷惑している。

気持ちが悪いので小屋の梁を変えてほしいと棟梁に頼んだ。

棟梁は「またか・・」と思いながらも仕事を引き受けた。

数日後

小雨の降る夕方棟梁はN子さんと口喧嘩してムカムカしながら傘をさして犬の散歩に出た。

いつものように農道を散歩していると、突然犬が吠え出して腰を抜かしてしまった。

前を見ると女と子供の幽霊が佇んでいる。

子供のほうは手まりをついている。

棟梁は金縛りに会ったように動けない。

女と子供の幽霊はスーっと滑るように棟梁に近づいて来た。

棟梁はN子さんとの喧嘩もあり、頭にきて「くそったれ!」と叫んだ。

すると幽霊はスーっと消えてしまった。

犬は相変わらず腰をぬかして吼えていた。

そこにパトカーが来て警察官が「どうかしましたか?」と声をかけて来た。

棟梁は今起きたことを警官に話したら、他にも幽霊を見たと通報があったらしくパトロールしていたとのこと。

犬が腰を抜かしてしまっているので、パトカーで棟梁と犬は送ってもらったと言っていた。

その後も棟梁はN子さんと喧嘩してN子さんは同じ誕生日のミニウサギ♀を連れて出て行ってしまった。

うちの兄貴が心配している。

怖い話投稿:ホラーテラー オレンジさん  

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