短編2
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鉄柵

俺とKはその日、友人の誕生日パーティーの帰りだった

Kの車で家に送ってもらうことになっていたのだが

その帰り道、Kがこんな話をしてきた

「この先にある民家で人が死んだって話知ってるか?」

俺は初耳だったので「いや、知らないけど」と返した

Kの話だと

ある民家に泥棒が入ったらしい

そいつは2階の窓から入ろうとしたのかよじのぼった

しかし足を滑らせたのか2階から落下

運が悪くその下には鉄柵が

その泥棒は串刺しになって絶命していたそうだ

「こっから近いしちょい見に行ってみねぇか?」

ちょっとした余興のつもりで俺たちはその民家を見に行くことにした

着いた先は想像していたよりも普通の民家だった

車もあるし人も住んでいるみたいだ

「まぁ死んだのは泥棒だって話だしな。ここの住人が死んだ訳じゃないし」

確かにそうだが自分の家で人が死ぬってものすごく嫌だろうな

そして問題の鉄柵はなるほど確かにこれなら人が死んでもおかしくない

先は鋭く2階から落下した勢いなら人間だろうと串刺しだろう

この鉄柵で人が死んだと思うと途端に気味が悪いものに見えてくる

「じゃあ帰るか」

見るもの見たし帰ろうかとKがエンジンをかけようとした時だった

ズザッ

ズズズズズズズズズズッ

ドズン

重く響くような音がして俺たちは硬直した

「なに?」

先ほどまで何もなかった鉄柵に今は黒くてでかい何かが折れ曲がってもたれかかっていた

Kが急いでエンジンをかけ車のライトでそれを照らした

「なんだあれ?砂袋か?」

鉄柵にささっているのはたしかに砂袋だった

穴のあいた部分から絶え間なく砂が吹き出している

あんな話をしたあとだ

正直人間かと思った俺は安堵した

なんでこんなものが?

俺は2階を見上げた

暗くてシルエットしか分からないが人だ

ベランダからこちらを見下ろしている

「やべぇ」

Kは急いでアクセルをふかし

俺たちはその場から逃げるように車を走らせた

「・・・・・・・・・どー思う?」

俺はKに問いかけた

もちろん今見たことについてだ

「いろいろ解釈できそうだが・・・どれもろくなもんじゃねぇな」

「だよな」

「もうあの道は通らねぇ方がいいかもな」

なんとも後味の悪い誕生日パーティーになってしまったのだった

怖い話投稿:ホラーテラー 鵺さん  

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