短編2
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いじめ

僕の友達のA君はいじめられていた。

僕はA君とすごく仲が良かったのにいじめを見て見ぬ振りしているだけだった。

僕はA君に「大丈夫?」と心配そうに声をかけた。

「大丈夫じゃないって言ったら助けてくれるの?」とA君は冷たい目で僕を見た。

自分から声をかけたくせに僕は答えられなかった。

A君を助けたら僕まで標的にされるんじゃないかと内心怖かった。

「ごめん…」A君が言った。

A君の言葉は僕に深く突き刺さった。

その日、家に着いてから必死にA君のことを考えた。

そして、A君を助けようと決めた。

次の日、A君はいつも通り理不尽な扱いを受けていた。僕は勇気を出していじめをやめるようにいじめっ子達に言った。

当然のようにケンカになった。

先生によってそのケンカは止められた。

翌日にはA君に対するいじめはなくなった。だけど、代わりに僕が標的になった。

A君は助けてくれなかった。

僕はA君になんで助けてくれないんだと聞いた。

A君は「そしたらまた僕が標的になる。」と答えた。

僕は、怒る気にもなれなかった。

人を見る目が無かった僕が悪かったのだろうか。

友達だからと見えない感情に突き動かされた僕が悪かったのだろうか。

A君を助けるのが少し遅すぎたのだろうか。

いや違う。A君はあんなこと言う子じゃなかった。変わったのはいじめっ子達のせいだ。

ある日、教室で僕は、いじめっ子達の1人をハサミで何度も刺してやった。

教室内は女子達の泣き叫ぶ声が響いていた。

僕は、横たわるいじめっ子を蹴り飛ばして、絶句しているA君に近づき微笑みながら言った。

「僕たちずっと友達だよ」

怖い話投稿:ホラーテラー 鯖さん  

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