短編2
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来た!

結構昔の話ですが…。

当時友達のとこに入り浸ってた時、その日もいつものようにたわいもない話で盛り上がってました。

電話がかかってきました。世はまだポケベル全盛期。かかってきた家電の向こうからは私にも聞こえてくるくらい切迫した声が…。

相手は友達の専学の男友達。

「なんか幽霊は煙イヤがるからこっちでもタバコ吸ってやて!」

その声にビビって喫煙者だった私達は訳も分からないまま速攻タバコに火をつけました。

そこからは私も受話器に耳をくっつけてリアルタイムに聞く事に。

「今日な俺の連れが皆でコックリさんやってんねん。俺も誘われたけど、俺信じてへんし興味ないから断ってん。

そしたらさっき電話かかってきてな

『ヤバい!コックリさんお前んとこに行くぞ!』

ってゆうんや」

私達は相槌をうつしか出来ません。

「何があったんや?って聞いたらな、コックリさん来たらしいんやけどいろいろ質問してて誰かが言ったんやて。あなたの事信用してないヤツがいますよ。って。

そしたらすごい勢いで十円が動きだしたらしいねん。

殺す

その後俺んちの住所。

連れがゆうねんお前んちの住所これで合ってるか?って。

合ってたよ。部屋番号まで。

家まだ引っ越したばっかやから誰もここ来た事ないねん。

ほんでさっきなトイレ行こ思って行ってん。うちのトイレ姉ちゃんの部屋の前通るねんけど、姉ちゃん部屋おんのにトイレ開かへん。今家に姉ちゃんしかおらんのに。

絶対タバコずっと吸っといてな!!」

心配しなくても三本目です。口からからです。

五分くらい気を紛らわすために私の友達とその子はまったく関係ない話をしてましたが…

「うわっ!来たって!!」

彼の家はエレベーターのすぐ前らしいのですが、端のほうから等間隔に

こん

こん

と壁をノックする音が聞こえてきたと言うんです。

私も電話を代わってもらいましたが、受話器越しにでもその音ははっきりと聞こえてきました。

こん

こん

こん

私達はずっとお経を唱えて震えていました。

永遠に続くように思われた時間。

「ありがとう。行ったみたいやわ」

泣いて喜びました。口はからからでしたが…。

その後彼の身にも私達にも何も異変はありません。

でもあの時、閉ざした廊下側のカーテンを開けてたら彼には何が見えてたんだろう…。

皆さんも面白半分ではなさらないように。

怖い話投稿:ホラーテラー しーちゃんママさん  

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