これは、私がある金融機関に勤めていた頃のお話です。
あまり怖くありませんので、それでもよろしければお読み下さい。
当時、私が勤めていた銀行の近くに割と有名な神社がありました。
その神社と取引があり、神主さんとも顔見知りでした。私も、初詣や厄払いでちょくちょく参拝したものです。
さて、その神社との取引とは、神社が当社に口座をもっていて多額の入金をしてくれるのです。
入金とは、ほとんどがお賽銭でした。
営業担当が大きな麻袋に沢山の小銭を入れて持ってくるのです。
私の仕事の一つは、その小銭を数えることでした。
大きな専用の機械があり、それに一気に大量の小銭を投入するのです。
ある時、いつもの様に営業担当が麻袋を持ってきました。
その麻袋を見た時、いつもと同じ麻袋のはずなのに、何か気持ち悪かったのを覚えています。
とりあえず、いつもの様に出納の係長と一緒に麻袋を持ち上げ、機械に投入しました。
ジャラジャラジャラ・・・
機械が小銭を数えだします。
数え終わるのに時間がかかるので、その間他の仕事をしようと自分の席に戻ったその時、
ピーピーピー・・・
機械のエラー音が鳴り出しました。私は「またか・・・」と機械のほうに行きました。
小銭の数が多い為、営業担当も神主さんも私達も賽銭箱の中身を確認しません。
いきなり機械に投入するわけですが、小銭以外の物が入っていることが多々ありました。
釘やらお守りやらゴミやら。
そのお金ではない物が、機械に詰まってしまうと、ピーピーというエラー音が鳴り、手作業で機械から取り除かねばなりません。
係長が、「またかぁ・・・今日は何だぁ~」と言いながら機械の鍵を開け中を覗きました。すると、
「ひっ!!」
係長が声にならない声をあげました。何かと思い、機械の中を覗くと、そこには機械に絡まる大量の髪の毛が。
これでもかというほど絡まっていました。
機械の部品を覆い尽くす程の髪の毛。
これからこの髪の毛を手作業で取り除かねばなりません。
私と係長は涙目になりながら髪の毛を取り除きました。
続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話