中編3
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叔父さんの盲学校

こんにちはかつをです。

今日は私の叔父から聞いた話をしたいと思います。

私の叔父は全盲で何も見えません。

そんな叔父は目が見えないと言う事も有ってか、視覚以外の感覚が常人のそれよりもはるかに発達しています。

これはそんな叔父が克つて通っていた盲学校での話です。

その日叔父は、迫る文化祭の準備に追われ、夜遅くまで何名かの学生と共に学校に残っていたそうです。

叔父は、正直学校が好きではありませんでした。

それは、勉強が嫌いとかそう言う事では無く普段から何故か学校に来ると肌がチリチリするというか、風邪の初期症状にも似た不快感を感じるからだそうです。

その日もやはり、チリチリとした感じのする中そんな訳の分からない理由で自分だけ作業に参加しないなんて事は出来るはずも無く、嫌な感じのする中作業を続けていました。

やがて日も暮れ辺りが闇に包まれる頃、叔父は嫌な感じが増して行くのを肌で感じていました。

勿論叔父は目が見えないので昼も夜も変わりませんが、時折指で触って時刻を見る特殊な腕時計で時間を確かめながら時間を確かめていたそうです。

そして、時刻が22時を回る頃今まで感じていた、不快感は今までの物とは比べ物にならない程になったそうです。

流石に叔父は耐えられなくなって来て他の級友達に今日はこの辺にしてもうそろそろ帰ろうと持ちかけようとしたその時です。

ゴトン!

と、天井から音がしたそうです。

その瞬間叔父の不快感は更に大きな物となり、立っているのがやっとだったと言っていました。

そして、当然其処に居た皆は音の原因は何なんだと言う話になり、職員室に行き、唯一目の見える担任の先生を呼び事情を伝えると音のした上の階に皆で向かいました。

正直叔父はその時行きたく無いと言う思いが強かったのですが、1人になるのも嫌だったので、仕方なく一緒に付いて行ったそうです。

そして、問題の部屋に着き目の見えない皆の代わりに先生が部屋を見渡すと床に大きな石の様な物が転がっていました。

先生は何故こんなところに石が?と思いながらも徐にその石を持ち上げようとした時にようやく先生は気づきました。

それは石などでは無く、その部屋に置いて有る骨格標本の頭骨部分でした。

その部屋は整体の授業で使う部屋だったので骨格標本が有る事は皆知っていましたが、

何故?

皆思ったそうです。

何故なら骨格標本は普段転倒防止の為にしっかりと固定してあり多少の地震が来た位では倒れない様になっていたからです。

皆不思議に思いましたが、少し不気味になり今日は取り敢えず家に帰りなさいと言う事になりました。

叔父はその時不快感は薄らいだものの、今度は胸のざわめきを覚え早く帰りたいと思っていたので、胸をなでおろしたそうです。

そして、皆で部屋を出て行き叔父がその部屋を出ようとした瞬間…

「かえせ…」

そう叔父の頭に何者かの声が響いてきました。

何?叔父は周りの者に聞きましたが、誰も何も言っていないと言われたそうです。

そして翌日どうにも気になった叔父は担任に事情を話してもう一度あの骨格標本を調べて欲しいと言いました。

担任は叔父の事を訝しんだのですが、叔父は普段真面目だった事もあり渋々調べ直す事にしたそうです。

そして、叔父は担任と共に昨日の部屋に行き骨格標本を調べていると何やら台座の裏に写真立ての裏に有る様な蓋を見つけました。

何だこれは?

その蓋を開けると中から一枚のメモが出てきたそうです。

そのメモの内容は、

196×年

○○寄贈

この標本は故 ○○ ○○の物で有る。

と有ったそうです。

つまりこの標本は本物の人骨…

叔父も先生も暫くその場を動けなかったそうです。

その後、色々調べるもすでに寄贈先も存在しておらず故人の名も住所も分からずと言う事で、近くのお寺に供養してもらったそうです。

叔父にそんな事が有るのかと聞くと、当時は技術的な問題なのかどうなのかわかりませんが、本物の人骨が標本に使われる事が少なく無かったそうです。

その後叔父は不快感も無くなり無事盲学校を卒業し今は鍼灸しとして生活をしています。

余談ですが、その叔父の開業している診療所は以前私が投稿した「足音」と言う話の舞台に有った家です。

あまり怖く無かったかもしれませんが、長々と住みませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー かつをさん  

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