短編2
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携帯電話

初めて投稿します。

高校生の時にクラスメイトの一人が喘息で亡くなりました。

ただ「喘息」とだけしか聞いて無いので、小児喘息だとかの詳しい病名までは解りませんが(汗)

亡くなったクラスメイトとは、一緒にタバコを吸ったり喧嘩をしたり…悪友的な感じでした。

自分には喘息等の知識が無かったのですが、タバコはさすがに影響がある様な気がしていたのでクラスメイトの体調等を心配し、止める様に諭したりもしていました。

それでも彼は、タバコを止める事もなく

「大丈夫!それより、今からフけて遊び行こうや!」

と、いつも遊びに全力投球な感じで過ごしていました。

夏休みも終わり体育祭の話が出てきた高校1年の初秋…

担任から彼が緊急入院をした事を聞かされました。

前日の夜遅くに喘息の発作で呼吸困難に陥り、救急車が到着した時には意識不明の状態で運ばれたそうでした。

他のクラスメイト達と見舞いに行きたいと担任に頼み病院等を聞いたのですが、昏睡状態が続いており彼の両親の意向もあった様で、一切が伏せられ教えてもらえませんでした。

そのまま、見舞いに行く事も叶わず、その年の冬…

彼は還らぬ人となってしまいました。

現実味の無いまま葬儀に参列し、現実味の無いまま家に帰り、その日の夜はボーッと自分の携帯電話の電話帳にある彼の番号を眺めていました。

ボーッと眺めていると、だんだんと彼の死が夢なんじゃないかという錯覚に陥り試しに電話をしてみようと思い発信ボタンを押しました。

プルルルル…

呼び出し音を聞きながら、やっぱり彼は死んだのだと携帯の画面を見ながら電話を切ろうとした時、携帯の画面が通話中に切り替わりました。

驚き、咄嗟に

「もしもし!?」

と、声をかけても返事がありません。

何度も名前を呼んでも返事がありません。

ただ

喘息の人の喉がヒューヒューとなる音だけが聞こえていました。

どれくらいの間か覚えていませんが一生懸命に呼びかけ、気付くと電話は切れていました。

その後も何度か電話をかけましたが、ずっと電源が入っていない状態が続いていて、いつしか解約されたアナウンスが流れる様になり、電話をかける事を止めました。

オチも無い、ホラー要素も無い様な話ですが実際に体験した心霊的な出来事です。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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