中編3
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ファミレスで…

この前一人でファミレスでご飯食べるんだけど

隣にサラリーマンっぽい人が座ってたんだ

自分が来て暫くしてサラリーマンっぽい人が来た感じ

サラリーマンは案内されて来たんじゃなくて一人でその席まで来てた

よくいる勝手な客って感じだ

そいつがさ

ずっとこっち見てんだよ

注文もしないでジーっと

店員も水も持って来ないしさ

チャラそうな店員だから感じ悪い客は呼ばれるまで無視するんだろうな

この空気どうにかして欲しいわ

それにしても気持ち悪いヤツだ

身動きせずにジーっと見てるよ

こいつ生きてんか?

まさか幽霊か?

だから店員は来ないのか?

あっ

店員来た

ファミレスでラーメン頼んでるよ

まぁ 個人の自由だけどさ

うわ

また見てるよ

なんなんだよコイツ

「あの…高橋くんじゃないですか?」

???俺は高橋だけど

なんで知ってんだ?

「そうですけど……?どこかでお会いしてましたか?」

「やっぱりそうか!わかんないか…中学ん時同じクラスだった山崎だよ!」

山崎?

山崎はデブでジャイアンタイプだったヤツだ

「あぁ 山崎? お前大分痩せたんだな… スゲーじゃん」

「まぁ いろいろあってね」

それから山崎が痩せたいきさつなんか聞いたんだ

まぁ 振られて見返してやる的な感じで痩せたけど結局振られ原因はデブだからとかじゃなかったみたいな話

「なんで人のことジーっと見てたんだよ 気持ち悪いじゃんよ」

「いや… 高橋かなぁ と思ったけど違ってたら嫌じゃん」

「お前は迷わず声かけてみるタイプだろ 性格も変わったか?」

「変わっちゃいないけど… 声かけるべきか迷ってよ… 声かけて別人だと困るし」

なんか歯切れの悪い言い方すんな

「別人ならスイマセンでいいんじゃないのか?」

「普通ならな…」

だから何なんだよ

「いや… 見てたのはお前じゃなくて後ろなんだ お前の後ろ」

???

後ろって壁だろ…

「壁になんかあんのか? この絵が実は有名画家のやつとか?」

「じゃなくて背中って言うべきかな… なんかついてるぞ」

「マジで!?鳥フンか!?きたね〜」

「いや… ペンキ?じゃなさそうだけどなんかベッタリ…」

店内だけどとりあえずTシャツ脱いだ

なんじゃコリャ

ベッタリ

赤 と言うか 茶色 と言うか絶妙な色がついてる

「これって 手形だよな? 子供のか?」

「どっかでいたずらされたんじゃないか…?」

「子供なんて会ってないし背中触られた記憶めないぞ…」

「とりあえずさ 俺適当にTシャツ買って来てやるから待ってろよ」

山崎は一度会計を済ませて店を出た

しかしいったいコレは何なんだ?

血……

じゃないよな…?

なんでこんなのついてるだよ

気持ち悪りぃ

誰かのいたずらか?

「待たせたな… とりあえずこれで我慢しろ」

「なんだよ このTシャツ」

「文句言うなよ 一番マシなの選んだつもりだ」

まぁ 仕方ない

上半身とは言え裸でいる分けにはいかないしな…

「俺行くわ… やっぱり逃げるもんじゃねぇな…」

山崎にそう告げて店を後にした

俺は背中に「歌舞伎一番」と書かれたTシャツを来て警察署の前にいた

翌日俺はニュースを見ていた

○月○日に起きたひき逃げ事件の犯人が…………

高橋

自主したか…

これで俺の息子も浮かばれるかな…

俺は絶妙に混ぜ合わされた絵の具をごみ箱に捨て息子の眠る墓へと向かった

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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