中編3
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夢の日昨

その日私は会社の寮で寝なければならかった。

わりかし広い部屋で 先輩と布団を並べた。

しかしなかなか寝付けない。

先輩が電気をつけながら寝たいと言ったからだ。

何十回目かの寝返りをうったとき『ごとり』と音がした。

玄関からだ。

少しビビりながらも目だけ動かし

玄関からこちらの部屋をつなぐ扉を見た。

少しあいている?

扉が少しずつ開いていく。

私は口をぽかんとあけながらそれを見ていた。

ずるずる…ひゅーずるずる…ひゅー

不気味な音とともに開け放たれた扉から、青白い手があらわれた。

どっと全身から汗がふきだす。

青白い手の爪先からは、黒い糸のような…しいていうなら扇子のしっぽのような房が、不気味に動いている。

昔テレビでみた貞子さながら、黒く太い糸のような髪の毛がざわざわとひろがり、顔がまったく見えない。

なに…なに…なに…

恐怖で混乱しながらも、その女から目が離せない。

女はずる…ひゅーずる…ひゅーと、どんどんこちらに近づいてくる。

そこで記憶はとぎれ、気づけば朝になっていた。

朝、先輩に話をした。

もう1泊するなんて。嫌です!

涙ながら訴えたが先輩は涼しい顔で「気づかないふりしといたら大丈夫だから。」と言った。

そしてその日も夜になり

嫌々ながらも、せめてものドアから出来るだけ離れた場所に布団をしいた。

先輩はどこから持ってきたのか大量の段ボール箱を、扉の前に山積みに積んでくれていた。

「寝るよ!」先輩が笑いながら言って、私は少し安心してすぐウトウトした。

どれだけたったろう

『ガターンガターン!』

部屋中に響く音に慌てて身を起こした。

隣を見ると先輩も起きていた。

「来たね。」

玄関につながる扉がすごい勢いで開閉されていた。

しかし段ボールが邪魔で半分も開かない。

先輩はそれを見ると、「気づかないふりしな」と言いそのまま布団に入ってしまった。

ガターン!ガターン!

とても寝れるわけがない。

完全に寝てしまった先輩を横目に私は扉を凝視し続けた

ふと扉の下に目をうつすと

そこからあの青白い手がまさぐりでようと床を掻いていた。

爪先からは黒いミミズのように糸が蠢いている。

そのまま目線をあげると

黒々しい髪の間から顔が見えた。

青白い肌に

目のあるはずの場所からは黒く太い糸がイソギンチャクのように何本も何本も流れ出ていた。

それが私を見ていた。隙間からじっと。

わーあぁああー

恐怖が絶頂になり叫びながらキッチンに走った。

キッチンの扉をあけると

そこにもいた。

キッチンわきの小さな窓からそれは必死に中に入ろうと暴れていた。

こいつは息子だ。直感で感じた。

体は小学生ぐらい、頭や爪先から白い触手のような糸をはやしている

顔面はそこらじゅうに穴があいていてそこから白い触手が伸び縮みしていた。

ひぃ…!

息とともに悲鳴を飲み込み

咄嗟にそばにあったフライパンを降り下ろした。

『びぃびぃいぃ』

それは奇妙な声をあげ逃げようと暴れた

私は必死で何度もフライパンを降り下ろした。

『びぃびぃぃィィ…』

それは動かなくなった。

『あぎゃぁぁーいぎぁあああー!!!』

息子の死を知ったかのような物凄い叫び声がした

玄関から?

その直後部屋中に振動があり段ボールの山が崩れる音がした。

あの女が蜘蛛のように四つンばで這い出してきた。

しかし私は布団にはいない。

女は一気に先輩に近づくと

むしゃっ

先輩の頭を丸のみにした。

『っはっ…!』

見慣れた天井。

彼氏の家だ。

夢だったのだ

夢だ夢だったんだ…

安堵とまだ残る恐怖心がわきあがる

「怖いゆめみた。怖い夢みた。」呟きながら彼氏に抱きついた。

胸に顔をよせた瞬間気付いた。

彼氏は 今日 帰ってこない

『ぎゃぁぁあああぁああぁああ』

初投稿です。拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。これは半分現実です。

また投稿するかはわからないのでアドバイスは結構です。

怖い話投稿:ホラーテラー むぅさん

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