短編2
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ずっと一緒・・・

男性の先輩から聞いた話です。引越しをして、そこは割合家賃の割には広い物件でした。部屋に初めて入った時になんか取り囲まれるような変な感じがあったらしいのですが、気のせいだろうという事で気にせずに住み始めました。その部屋に住み始めてからずっと肩が重い感じがしましたが、それでも気にしないようにしていました。

ある日、窓を全部閉めて出ていったのに、全部開いていた事でありました。さすがにそれはおかしいと思い、怖くなってしまいました。洗濯物を干して出かけて、雨が降ったら取り込まれていたりもしました。

その部屋に男の友達が遊びに来ると何の問題もないのですが、付き合っていた彼女が来た時に「なんか気持ちが悪い」と言い出して帰ってしまうという事がありました。ある晩、彼女が泊まりに来た事がありました。彼女が寝ていたら「ウアー」と言って飛び起きたので、どうしたのか聞くと胸を強く押されたという事でした。それから彼女ともなんとなくうまく行かなくなって別れてしまいました。

肩が重いなあと感じつつ、そのままその部屋に住み続けていました。ある日、仕事にでかけようと部屋を出て、階段を下に降りて来たところで、話をしていた同じアパートの住人の奥様2人のうちの1人に

「あら。今日はお一人?」と聞かれました。

男性は「僕ひとり者ですけど。」と答えると

「だって、いつも彼女とすごく仲良さそうに歩いているじゃない。」と言われました。

「いや。歩いてませんよ。僕ずっとひとりですから。」と答えると

「何言ってるのよ。すごく女らしい人じゃない。髪の長い。」と言いました。奥様達2人がいっしょに2階のまどを見上げて言いました。

「今日はお見送りなのね。」

男性も自分の部屋の窓を見ると女の人が見えました。「いっしょに来て下さい!」と言って奥様方2人も連れて女の人がいた部屋に行きました。ドアを開けて部屋の中を見ると、そこには誰もいませんでした。

男性は怖くなって引越しました。その後恋愛して、結婚もしました。ある夜寝ていると夢枕にその女の人が立ってこう言う声がしました。

「離れない。絶対に離れない。ずっといっしょ。ずっと....」

Concrete
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