長編14
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倉庫に居るモノ《後編》

これは、僕が高校1年生の時の話だ。

季節は冬。

《倉庫に居るモノ前編》

の続きである。

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・・・・・・・・・。

コンクリートで出来た直方体の倉庫が、目の前に建っている。

そして僕等は、その倉庫の直ぐ傍の街灯の光の下に居た。

「此処・・・ですね。」

木葉さんが頷きながら言った。

「外からは何も聞こえませんが・・・。」

確かに、至って静かだ。

耳を澄ませても波の音しか聞こえない。

「まぁでも、ここで間違い無いんでしょ?だったら取り敢えず入ろう。」

のり姉が扉の方へ向かおうとした。

「あ、一寸待って下さい。」

木葉さんがそれを引き留め、持っていた鞄から紙で出来ているらしい札を取り出す。

「此れを。」

僕等に一枚一枚手渡していく。

札は矢張紙製で、赤と黒で何やら文字が書かれていた。

「・・・御札。・・・・・・御払いか何かに、使うんですか?」

僕が聞くと、木葉さんは静かに頭を振った。

「いえ。其れは御守りですよ。」

ヒラリと自分の分の札を、よく見える様に目の高さまで持ち上げる。

「よく聞いて下さい。分からない所が有れば何回でも説明しますから。」

木葉さんが、札の真ん中辺りにある丸を指差す。

「此処に自分の息を吹き掛けて下さい。」

「・・・血液じゃないんだ?」

不思議そうにのり姉が言った。

確かに、血液の方が《それっぽい》感じがする。

「用途にも依ります。・・・此れは相手から見えなくする為の札ですからね。確かに、血液の方が純粋な効果としては大きいのですが・・・。」

ふぅ、と木葉さんが息を吐く。

「・・・どうにも、臭いが強いですからね。」

そして、何故かハッとして、気不味そうにのり姉の方を見る。

「・・・・・・・・・何?」

のり姉が木葉さんの視線に気付き、怪訝そうな顔になった。

木葉さんは困った様な感じでキョロキョロと目を動かした。

「えと、あの、そのぉ・・・・・・。」

顔を真っ赤にして、バタバタと手を振る。

「あの・・・えっとぉ・・・。」

「何?何が言いたいの?」

のり姉の眉間に皺が寄る。

「えーと、えーーとーー・・・。」

「はっきり言いなさい!!」

のり姉の言葉に、ビクッッ、と木葉さんが固まった。

「ご、ごめんなさい・・・。」

今にも泣き出しそうな声で謝る。

「言わなきゃ分からないでしょ。ほら、怒らないから。言って。」

のり姉が縮こまっている木葉さんに優しく呼び掛ける。

・・・・・・あれ、もしかして僕等に対するよりお姉さんぽくない?!

・・・失礼。個人的な思いが入った。

「その、そのー・・・。非常に不躾な質問だとは思うのですが・・・・・・。」

「うん、何?」

「あの、今月・・・えっとそのぉ・・・。」

「○理ならもう終わってるよ。」

「・・・うぇ?!」

いきなりサラッと言われて、木葉さんの目が点になった。

「あれ、違う?血液繋がりでそれかと思ったんだけど。」

のり姉がそう言うと、木葉さんは恥ずかしそうに顔を手で覆った。

「はい。それで正解です・・・。」

「あ、そう。なら良かった。・・・それじゃ、入ろうか。」

のり姉がまた倉庫へと向かおうとする。

「あ、待って下さい。少しだけ。手短に説明を終えますから。」

木葉さんが引き留め、そして続けた。

「この札は、一度でも手離してしまうと効力を失います。新しい札を持ち直しても、一度その札を使った相手には効かなくなります。あ、触れてしまった相手に対しての効力も消えてしまいます。どうぞ、肌身離さず、持っていて下さい。」

のり姉と僕等は大きく頷いた。

「・・・行こう。」

扉に手を掛ける。

ギィィィィ

錆び付いた扉が、嫌な音を立てながらゆっくりと開いた。

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・・・・・・・・・。

埃を被ったコンクリートの床。

元々は家財道具を置く倉庫だったのだろう。所々に壊れた椅子や机、箪笥等が転がっている。

奥には、やはり埃だらけの階段が見えた。

窓から入っている街灯の光だけが頼りだ。

街灯の場所が極近く在り、建物自体がそこまで大きくないので、周りが見えない訳では無いが・・・。

「目が慣れているとは言え・・・これは少し辛いな。」

僕は横に居る薄塩に小声で言った。

「・・・・・・。」

が、薄塩は何も言わなかった。

僕は更に言った。

「懐中電灯は・・・・・・流石にバレるか。」

「・・・・・・。」

薄塩は、また何も言わない。

「・・・薄塩?」

そっと薄塩の顔を覗き込む。

「・・・・・・。」

薄塩の顔は、真っ青になっていた。

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「薄塩?どうした?」

腕を持って軽く揺すると、薄塩は一言

「・・・・・・・・・気持ち悪い。」

とだけ言った。

僕の頭に《霊障》と言う文字が浮かぶ。

慌ててピザポの方を見る。

此方も口を押さえ、目に涙を浮かべていた。

「木葉さん・・・!これは・・・・・・?!」

僕が不安になりながら聞くと、木葉さんは事も無げに言った。

「まぁ、グロいですからね。」

「え?」

「グロ過ぎて気分が悪くなったんでしょう。」

木葉さんの隣に居るのり姉も、うんうんと頷く。

「あれは正直、フィルターの無い薄塩とピザポ君にはキツすぎたかもねー。」

「一つの塊に、二、三人がグチャグチャ状態ですもんね。私には鮮明には見えないのですが、それでも気持ち悪いです。」

え?グチャグチャ状態?!

なにそれ!聞いてないよ!!

僕が驚きのあまり口をパクパクさせていると、不思議そうな顔をして、木葉さんが聞いた。

「・・・・・・コンソメ君には、どう見えているんですか?あ、もしかして、見えていないんですか?」

・・・違う。

別に見えていない訳では無い。

あのズルズルと嫌な音を立てて蠢いている塊なら、僕にだって見えている。

ただ・・・・・・。

僕に見えている物は、あまりに馬鹿らしいのだ。

馬鹿らし過ぎて、怖さが皆無なのだ。

「僕の目には・・・・・・。」

意を決して言う。

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「僕の目には、巨大なスライムが沢山居る様に見えます。」

「・・・え?」

二人の目が点になった。

・・・・・・だから、あまり言いたくなかったのに。

「超有名ゲームの看板キャラクターの、青くて目が大きくてプルプルしている頭が尖った、あのスライムです。」

こうして話をしている間にも、また一匹のスライムが、ズルズルとのり姉の後ろを通過する。

「大きさ的にはキングスライムですが、ヒゲと王冠がありませんね。」

木葉さんは、ただ呆れた様な顔で

「そう・・・ですか。」

と言った。

のり姉は苦しそうに、クツクツと笑っている。

僕が少しだけ不貞腐れてそっぽを向くと、隅の壁際で音も無くピザポが吐いていた。

僕は《こんな奴等で大丈夫か?》と、メンバーに一抹の不安を抱えながら、顔をしかめた。

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・・・・・・・・・。

「さて・・・と。」

沈黙を破ったのは木葉さんだった。

「見た目が見た目ですが、此れなら何とかなりそうですね。」

そしておもむろにガチャガチャと一つの窓の鍵の部分を弄りだす。

・・・どうやら開かない様だ。

すると、今度は持っていたバッグから何やら幅の広いテープを取り出し、窓にベタベタと張り付けた。

・・・・・・もう、その窓はテープで殆ど向こう側が見えなくなっている。

おもむろに木葉さんが、手に持っていたバールで窓ガラスを割った。

ゴンッ!

鈍い音を立てて、ガラスにヒビが入る。

スライム達は気が付いていない。

音に反応しないのだろうか。

木葉さんはそのまま、ベリッとテープを剥がす。

窓ガラスには、見事に大きな穴が開いていた。

「ちょ、木葉さん?!」

「・・・・・・どうしました?」

思わず僕が呼び掛けると、木葉さんは不思議そうな顔をして此方を見る。

「何してるんですか!」

そう言うと、益々木葉さんは不思議そうな顔になった。

「何って・・・・・・空気を通す穴を作っています。あ、向こう側にも開けねば。」

「・・・・・・え?」

テープにくっついているガラスの破片をテープごと丸め、移動して、今度は反対側の壁にある窓にテープを貼る。

木葉さんは言った。

「空気の澱みは気の澱みですからね。風の通り道を作ります。・・・あ、窓の事ならば気にしないで下さい。どうせ此処、使われてませんし。後からどうにでもなりますから。」

そしてまた、バールをガラスへと打ち付ける。

ドゴッ!

続いてベリッとテープを剥がす。

此方側の窓にも、大きな穴が開いた。

「・・・此れで良し、と。」

冷たい風が中へ吹き込み、生ぬるい空気が反対側から押し出される。

「良しって何が・・・!」

振り向いて、僕は唖然とした。

さっきまでズルズルとその身体を引き摺っていたスライム達が、一気に三分の一程度に減っている。

「・・・・・・嘘?!」

「多いんですよねぇ。その場の雰囲気に流されて居座っちゃう人達。」

「え、ちょっと待ってなにそれ?!」

「国民性何ですかねぇ。・・・・・・現にほら、場の空気を変えただけで、こんなに数が減りました。」

「なにそれどゆこと?!」

「嗚呼、でも、矢張残ってしまう人も居ますね。困った人達です。」

木葉さんがテクテクと歩き、一匹のスライムへと近寄る。

「よいしょっと。」

無造作にバールを振り上げて、次の瞬間。

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ベリッッ

と、スライムの一部をバールで剥がした。

「え・・・えええええええ?!」

剥がされた部分はまた小さな一匹のスライムとなり、ブルブルとその身体を揺らした。

大きかったスライムは、二回り小さくなって、これまたブルブルと揺れている。

そのうち、小さい方のスライムがじわりと闇に溶け、消えた。

「よし、どんどん行きましょう。」

ベリッッ、ベリッッ、ベリベリッッ!

木葉さんが凄い勢いでスライム達を分裂させて行く。

じわり、じわり、じわり、じわりじわり。

分裂させられたスライムが消える。

そして、気が付くと

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一階のスライム達は、もう一匹も居なくなっていた。

「・・・ふぅ!」

木葉さんが息を吐いた。

のり姉は木葉さんがバールを振り回している間、ずっとニヤニヤしながらそれを見ていた。

ピザポと薄塩は相変わらず顔面蒼白で無言だ。

「・・・・・・どうして消えたんですか?」

僕は木葉さんに聞いた。

木葉さんはヒョイと肩を竦めた。

「言ったでしょう?何人がグチャグチャだと。剥がしてバラバラにしてしまえば、恐るるに足りません。・・・・・・此れもお国柄ですかね。」

もう一度小さく息を吐く。

「さて、次は二階ですね。」

そして、さっさと二階へ向かい始めてしまった。

階段を上る背中に呼び掛ける。

「木葉さーん。」

「・・・ん。何ですか?」

「怖くはないんですかー?」

木葉さんが、階段の途中でクルリと此方を向いた。

「それが《仕事中とプライベートの違い》と言う物ですよ。コンソメ君。」

「一人前の大人になるにあたって、覚えておいた方が良いです。」

ニヤリと笑い、また階段を上り始める。

残された僕等も顔を見合せ、階段を上りだした。

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・・・・・・・・・。

二階へと上ると、其処には一匹のスライムが居た。

ただ・・・・・・。

「うわぁぁぁ!!」

大きい。もの凄く大きい。

頭が天井に付き、壁一面に広がっている。

もうスライムとしての形は保って居らず、膨張し、溶け出し、歪みきっている。

動くことはもう出来ないらしく、グチャグチャとその身体を溶かしながら揺れるだけだ。

「気持ち悪っっ!!」

直ぐ隣に居た薄塩が、ガシッと僕の腕を掴んだ。

「・・・薄塩?」

「説明する。」

ギリギリと腕を締め付けながら、薄塩は言う。

「・・・・・・十数・・・いや、二十数人いるな。溶けて縺れてる。もう引き剥がすのは無理だと思う。合体した一つの肉塊になってるから。」

「・・・痛い。どうしたんだ一体。」

僕が聞くと、薄塩は軽く頭を振った。

「・・・何でもない。」

パッと手を離す。

そして、青ざめた顔で僕を見た。

「なぁ、コンソメ。コンソメにはあれ、何に見える?」

僕は答えた。

「・・・スライム。大分気持ち悪いけど。」

それを聞くと、薄塩は静かに目を伏せた。

「・・・・・・ぅいな。」

「え?」

「危うい。」

そして、いきなり自分の頬を、両手で挟む様にして叩いた。

パシッパシッパシッパシッ

何回も連続で頬を打つ。

「・・・良し!」

「え?」

「落ち着いた。出来る事をする。」

「それって・・・?」

「取り敢えず、ゲ○吐いてるピザポを下に連れて行く。お前も来いな。どうせ此処ではする事無いから。」

そう言って薄塩は、やっぱり隅で吐いていたピザポを指で摘まみ、なるたけ触れない様にしながら階段を下りて行った。

後ろでは、何やら木葉さんとのり姉が相談をしている。

《確かに、此処に居ても僕に出来る事何て無いな。》と思った僕は、薄塩達を追って階段の方へ向かおうとした。

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・・・・・・・・・。

ズルリ

僕が階段を降りようとすると、僕の直ぐ右横に何処かに隠れていたのか、一匹のスライムが現れた。

僕は驚きのあまり尻餅を突いてしまった。

ヒラリ、とポケットから札が落ちる。

「あ・・・!!」

ズルリ

スライムが縦にグチャグチャ音を立てて伸び、僕の目の前を覆う様にして覗き込む。

「ヒッッ・・・・・・!!」

僕の頭にふと、

コンソメ:死因:スライムによる襲撃

と言う一文が浮かんだ。

思わず吹き出しそうになったが、笑っている場合では無い!

しかし、動こうとしても足を捻ったらしく立てない!!

ズルリ

スライムがデロリと、僕の顔に近付いた。

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・・・・・・・・・。

視界の端に、スニーカーが見えた。

僕は咄嗟に目を瞑った。

グチャ!

大きな音に思わず目を開く。

「集団で強がられるのも迷惑ですが、単体で粋がられるのも、うざったいんですよねぇ。」

目の前に居たのはあのスライムではなく木葉さんだった。

「怪我はありませんか?」

「あ、はい。」

捻った右足が痛むが、これはスライムの所為では無く、ただの自爆だ。

「立てます?」

「大丈夫です。触られても障られてもいない様です。」

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リン

不意に鈴の音が聞こえた。

「・・・彼方も始まりましたね。」

オォオオォオオォオォォォオオオォォォォ

風の音にも聞こえる低い音も聞こえ出した。

木葉さんがのり姉と巨大スライムの方を向き、僕も釣られてそっちを向いた。

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最後に見えたのは、小さな黄色い鈴。

本当に、自分の学習能力の低さには嫌気が差す。

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僕の意識は飛んだ。

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・・・・・・・・・。

「・・・・君!コンソメ君!!コンソメ君!!」

僕が目を覚ますと、僕はコンクリート床に寝かされていて、木葉さんが僕の名前を大声で連呼していた。

「・・・あー・・・また気を失ってましたか。迷惑掛けてすみません。」

誤りながら起き上がり、木葉さんの方を見る。

「コンソメ君・・・!!良かった!本当に・・・良かった・・・!!」

「こ、木葉さん?」

木葉さんは何故かボロ泣きだった。

「私の所為でコンソメ君が・・・死んで・・・・・・・・・御免なさい・・・。」

途切れ途切れではあるが、どうやらこの人は何か勘違いをしているらしい。

「御免なさい・・・!!」

泣きながら何回も何回も僕に謝る木葉さんは、さっきまでとはまるで別人の様だった。

「木葉さんの所為では無いです。本当ですよ。助けてくれて、ありがとうございます。」

木葉さんは何かを言おうとしたらしいが、結局何も言わずにまたボロボロと涙を溢した。

僕は泣きながら何故か嘔吐き出した木葉さんの背を叩きながら、僕はその直ぐ後ろでニヤニヤしているのり姉を睨み付けた。

「・・・どうして、気絶した理由を説明しなかったんですか。」

のり姉はニヤリと笑い、キッパリと言い放った。

「理由なんて《萌えるから》の一択でしょーよ。」

「・・・・・・・・・。」

「それよか、あの子どうする?」

のり姉が顎で指した方向を見ると、フワフワとした・・・まるでロリータ服の様なドレスを身に纏った女の子が、割れたガラス窓に腰掛けていた。

※二階は最初から窓が割れていました。

髪はどうやら金色らしく、海からの風を受けてふわふわと靡いている。

目の色は・・・よく分からないが、取り敢えず、日本人では無く、ヨーロッパ系の顔立ちだった。

歳は・・・・・・まだ幼い。精々小学校の三・四年生程だろう。

彼女は不機嫌そうな顔で此方を見ていたが、軈てすくっと窓の縁で立ち上がった。

「チッッ!」

此れ見よがしに、その愛らしく幼い顔に似合わない大きな舌打ちを一回。

「□□□□□□□□□□。」

そして、何語かは分からなかったが、何か一言二言言って、そっとスカートの裾を両手で持ち、此方に一礼した。

強い潮風が吹き込む。

彼女のドレスと髪が風を孕んで膨らむ。

僕はゆっくりと瞬きをして・・・・・・・・・。

目を開けると、彼女はもう居なくなっていた。

彼女の居た場所には、小さな指輪が一つ、置いてあるだけだった。

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・・・・・・・・・。

帰り道。

目の前をのり姉と木葉さんが歩いている。

「・・・木葉君。これ、聞いてみて。」

《・・・・・・君!コンソメ君!!コンソメ君!!起きて下さい!!起きて、死なないで下さい!!コンソメ君!!コンソメ君ってば!!》

「・・・録音、していたんですか。」

「うん。驚いた?」

「其処迄は。如何にも貴女らしいとは、思いましたが。」

「だろうね。」

「はい。・・・・・・驚いて欲しかったですか?」

「ううん。変わらないね。木葉君。」

「そうでしょうか。」

「うん。変わらないよ。」

・・・何だかいい雰囲気である。

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「コンちゃん、なんかご機嫌だね。」

「んー。」

僕はピザポの背中の上でバタバタと足を揺らした。

「ちょ、コンちゃん止めて。痛いから。」

「ん。ごめん。」

僕等はのり姉と木葉さんの数メートル後を歩いている。

そして、僕は暗い夜道を歩くのは危険だと言う理由から、ピザポに背負って貰っていた。

僕とピザポの少しだけ後を歩いているのは薄塩だ。

少しだけ膨れている理由は・・・・・・。

まぁ、察して頂きたい。

「薄塩もそうムスッとしないで、子供じゃあるまいし。」

「五月蝿い。この○ロ製造マシーンが。」

「酷いな!」

「知るかボケ。」

やっぱり機嫌が悪い。

僕は手を伸ばし、薄塩のつむじを押した。

「止めろコンソメ。」

「姉の幸せくらい応援してやれよ。縮め!」

「だって、あの人が相手だと姉貴はきっと今より我が儘放題になるだろ。誰が縮むかチビ!」

「それでも、選ぶのはのり姉だし、僕等はそれを祝って応援すべきだろ。誰がチビだ狐目!」

「・・・・それはそうだけど、頼り無いだろあの人。お前だよお前!」

「大丈夫だよ。一応は弟分だからな。太鼓判を押してやる。・・・覚悟、決めろ。OK表へ出ろ!」

「・・・分かった。俺も腹括る。此処は既に表だチビ!バーカ!!」

「二人共マジで落ち着いて。」

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・・・・・・海の音が遠ざかる。

結局、あの少女と木葉さんの元へ訪れた男性との関係は今も謎のままだ。

指輪は二つで一組のペアリングだったらしく、片方には青、もう片方には赤の宝石が使われていた。

繋がりが有るのは確かだろう。

鑑定の結果、ペアリングは数百年前のフランスの品らしい。

道理で言葉が全く分からない訳だ。

価値は両方で・・・。いや、これは野暮と言う物だろう。

只、貴方が骨董品屋か何かで、赤と青のペアリングを見たとしたら、それはもしかすると、・・・・・・

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・・・・・・・・・。

廃倉庫を出た後、薄塩家の前で僕等は木葉さんに御茶でも飲んで行く様に勧め、のり姉と木葉さんを家に残してコンビニへ向かい、三時間程時間を潰して帰った。

しかし、木葉さんは見事なまでに何の手出しもしなかったので、後日、僕からの説教を受けたのだが・・・それは最早怖い話でも何でも無いので、今回は此処で筆を置かせて頂く。

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お姉さんに春が来るのかな(o^^o)?
スライム…可愛いくて一時期流行りましたょね(o^^o)
ミズチフィルターのお陰なんでしょうが可愛いオバケに見えるコンちゃん羨ましい様な…(≧∇≦)

紫さんへ
コメントありがとうございます。

返事は出来る限り返して行きたいと思っています。
遅くなってしまうこともあるでしょうが・・・。
気長に待って頂けたら、と思います。

次回も宜しければ、お付き合い下さい。

お返事感激です(〃'▽'〃)

どんな阿呆な話でも紺野さんのお話は是非読みたい!!怖い話でなくとも読みたい!!w

陰ながら応援させていただきます♡

紫さんへ
コメントありがとうございます。

そう言って頂けると嬉しいです。
今回も阿呆な話ではありますが、書きました。

話はまだまだ続きます。
アカウントは変わりましたが、お付き合い頂けると幸いです。

こんばんは♪紫です(*^-^*)
いつも楽しく読ませていただいてます!

私、紺ちゃんの大ファンです♡
毎回、紺野さんの新作まだかな~?と真っ先に探して読んでますww

早く次回作を読みたいなぁ~♡と日々期待に胸膨らませております!!
これからも楽しみにしております(〃'▽'〃)

中たまさんへ
コメントありがとうございます。

色が違うだけで、元々は同じ石ですからね。
対になっているとしたら、恐らくそうだったと思います。
木葉さんが売り払ってしまったので、今では知る事は出来ませんが・・・。

品の無い話ですが、アンティークの指輪ってあんなに高いんですね。驚きました。

あの指輪は、至って安全と判断されましたが、他のアンティークもそうとは限りませんからね。

Uniまにゃ~さんへ
コメントありがとうございます。

僕は女神転生派です。

敵を倒すだけより、仲間にしていく方が楽しいですよね。

DQM、いつかやってみたいです。

赤と青の宝石で対になってるのなら、ルビーとサファイアかなぁ?

綺麗ですよね。そして高いよね(>_<)

指輪はピカピカ新品を買う事にします。コワイから。

ドラクエよりも、DQM派です

ガラさんへ
コメントありがとうございます。

本当に気持ち悪かったです・・・。
暫くドラ○エを出来ませんでした。
まぁ、僕が見たよりグロいのを他の人達は見てた訳ですけどね・・・。

気持ち悪いスライム見たくないな、、、、、、怖すぎ(。>д<)