中編3
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病院

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目が覚めた。白い天井が見える。

「あ!斉藤さん目が覚めましたか?」看護師さんの声が聞こえる。

「今先生読んできますね!」看護師さんは行ってしまった。姿は見えなかった。

頭がぼーっとする。なぜここにいるのか分からない。

「斉藤さーん。体調はどうですか?」医者の声だ。何故だろう光の加減もありマスクもしているからだろうか顔が良く分からない。

「はぁ少し頭がボーっとして、なぜここにいるのかよく覚えてないんです。」私は答える。

「斉藤さんね事故にあったんですよ。なんでも電柱にぶつかった単独事故みたいでたまたま私が近くにいたものですからうちの病院に搬送したんです。」

「あぁ、そうだったんですか。」おかしい。何も覚えてない。事故で一時的に記憶がないのだろうか。

「まぁもう少し安静にしててくださいね。」医者はそう言うと病室を後にした。

私ももう少し眠るとしよう。

夢を見た。私は車に乗っている。目の前に男が現れた。中年の男性だ。顔は良く分からない。危ない!私は慌ててハンドルを切った…が間に合わず轢いてしまった。

私は車から降りる。顔は血だらけで原型をとどめていない。どうしよう。このままじゃ私は犯罪者だ。幸いここは細めの路地で車は通っておらず目撃者もなかった。その時わたしの頭の中に考えが浮かんだ。

「そうだ。隠してしまえばいい。そうすれば私は捕まらない。」

ふと横を見ると潰れた病院のようなモノがある。「あぁ、ここに捨てればいい。」私は彼を運ぶ。

ドサッ

廃墟には誰も来ないだろう。いや、もしかしたら若者が肝試しに来るかもしれない。中に入れよう。

ズルズル…ズルズル…

手術室がある。中に入れよう。ブルーシートがある。この下に入れよう。

ドサッ ガサガサ

これで大丈夫。

…………目が覚めた。あれは誰の夢?誰かの夢?私の事故の夢?いや、私はたしか単独事故だと言われたから違う。何だったんだ。夢にしてはやけにリアルだった。

そしてさっきから気になっているんだがなんだか臭う。

ホコリっぽいようなサビ臭いような。あれ?白いはずの天井がなぜか茶色っぽい。あれ?シーツも赤茶色になっている。ここはどこ?医者も看護師もいない。ここは?廃墟?頭が痛い。血が出ている。とにかく病院に行かなければ。

血が止まらない。動きにくい。歩けない。仕方なく這って廃墟から出る。なぜ私は廃墟にいた?血が止まらない。

道に出たふらつきながらも立つ。さっきいた廃墟を見る。あれ?どこかで見たことがある。思い出せない。また頭が痛い。

車が来る。動けない。車はスピードを緩めない。周りに車も人もいない。運転手の顔は見えない。あぁ、ここで死ぬのか。視界が暗くなる。

「大丈夫ですか?」どうやらまだ死んでいないようだ。男性の声がする。顔は見えない。視界がぼやける。

「すぐそこに私の病院がありますから」あれ?あそこは廃墟。私はまたあそこに行くのか。嫌だ嫌だ。行きたくない。

あれ?また?なぜ私はまたなどと思ったのか…分からないまま私は意識を手放した。

…目が覚めた。白い天井が見える。なぜここにいるのか思い出せない。

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面白いです。次回作も期待してます!