中編4
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見えてるんだろ…

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突然ですが、あなたは霊的なものが見えますか?

霊感のあるなしなんて、本人が言ってる事を信じるかどうかですよね。

では、反対に霊と言われるものからするとどうなんだろう?

彼らは、見えてる人、見えてない人の区別が出来てるんだろうか?

そんなふうな疑問を持つきっかけとなった出来事…

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朝からとても憂鬱な気分だった…

原因は友人であるSと交わした約束…

Sには最近、彼女が出来た。

なんでもその彼女、霊感が強くて人に見えないものが見えるらしい…

その彼女と一緒に心霊スポットに行くから、俺にも一緒に来いと言う…

俺はそういう所に行くのは大嫌いだ…

なぜなら、前に投稿した"あんたは許してあげる…"

の一件以来、ちょくちょくそういったものが見えるようになったから…

街中でも、昼間でもたまに見ることがあるのにわざわざそんなスポットに行くというのは、恐怖以外のなにものでもない…

だから、俺は見えるということを身近な人達には言っていない。言えばこんな話しになることは目に見えてるから…

見えるというだけで、静めたり、祓ったりが出来るわけでもないのだから、憑かれるんじゃないかとか考えてしまう…

だから、そういう場所に行くのは極力避けてきた…

だけど、何度断ってもしつこく誘ってくるSの

『びびってんの?』

の言葉に負け、勢いで同行することを約束した…

だから、夜が来るのが正直怖い、という訳だ…

だけど、夜はやって来る…

Sはわざわざ俺の家まで迎えに来てくれた。

助手席にはSの彼女のY、後部座席にはYの友人だというAが乗っていた。

俺も後部座席に乗り込み出発。

軽い自己紹介のあと、車内で延々と過去に体験した心霊体験を聞かされた…

そして、出ると言われてる廃墟に到着…

車から降りたとたんに全身に鳥肌が立ち、背骨をわしづかみされてるような圧迫感に襲われた…

《あぁ、なんかヤバそうだなぁ…》

どうせ、バカにされるだろうからその言葉を飲み込んだ。

中に入ったとたんに、耳鳴りのような症状…

Yはどうなんだ?

ふと思い、懐中電灯の灯りを頼りに探すと…

居た…

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Yを探すために、照らした灯りの先に…

男の人?

かなり年配の人に見える…

思わず息を呑む…

全身から、炎のようなものがあがる…

慌てて懐中電灯の灯りを逸らす。

『そこにいるよ、女の人…』

Yの声だ…

《女?》

Yの指差す方向に灯りを当てるが、俺には見えない…

灯りを声の方に向ける。

Yの隣にSが居た…

その後ろにもうひとつ人影が…

《A? いや、さっきからAは俺の隣に居る》

じゃあ、あいつらの後ろに居るのは…?

後ろの人影が何かを呟いてる…

「お・・・み・・・のか?」

????

なんで、Yは後ろの存在に気付かない?

なんで、他のやつらには声が聞こえない?

『首でも絞められたのかな?首をかきむしってる』

またYが言った…

《嘘だろ、俺には何も見えない…

Yには俺に見えないものが見えてるの

それとも・・・》

「おまえみえてるのか」

今度ははっきりと聴こえた…

老人は、YとSの顔の間で彼らに話しかけてる…

俺は懐中電灯をそこから逸らせずにいた…

『なんかヤバいんじゃない!もう出ようよ!』

Aの声だ…

やっぱり俺の後ろに居る。

もはや半泣きだ…

『そうだね…これ以上刺激しない方がいい…

ついて来ちゃうかも知れないから』

とY。それに同意するようにSが…

『そりゃ、マズいだろ! もう出よう!』

そういって、2人は歩きだした…

俺の持つ懐中電灯は、老人1人を照らすような形になった…

彼はこちらを向いた…

shake

「おまえはみえてるんだな」

慌てて俺は彼から灯りを逸らした…

思わず、『ひっ!』

と声を漏らしてしまった…

shake

「やっぱりおまえみえてるんだな!」

「なぁ、見えてるんだろ…」

「熱い、熱いんだよ!」

「なぁ、助けてくれよぅ! 聴こえてんだろ!」

「見えてるんだろ…」

必死で気付かない振りをした…

聴こえない振りをした…

いつの間にか老人は、青白い炎のようなものに包まれ、灯りが当たってなくてもはっきりと見えるようになってる!

出口に向かう俺達4人の前に立ちはだかる!

俺を除く3人は、その燃え盛る老人をすり抜けて出口へ…

俺は無意識のうちに、それをよけて通ってしまった…

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shake

「やっぱり見えてたんだな…」

怒りというより、寂しそうな声だった…

俺は声になるかならないかの声で答えた…

《すいません。俺、見えるだけなんです

あなたに何もしてあげることが出来ないんです》

そう言いながら、振り返り頭を下げた…

その時、老人は青白い炎に包まれ、消えた…

イヤな気配も消えた…

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相変わらず前の3人(特にSとY)は呑気にさっきの女性の霊について熱く語ってる…

廃墟を出た…

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車に乗り込むとき、後ろから声をかけられた…

《あの女の人、全然見えてないね…》

SもYもAも3人とも、もう車に乗り込んでる…

後ろから声をかけてきたのは…

わかってる…

ちょくちょく俺の夢に出てくる女の子…

たまに外で出くわすこともあるあの女の子…

《あまりこういう所に来ない方がいいよ♪》

はい…今後気をつけます…

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夜道怪さん、コメントありがとうございます🙇
彼女の見えてるものが真実なのか?
俺に見えてるものが真実なのか?
確かめようもないですが、少なくともこういうことに巻き込まれたくないので、俺は見えてることをあまり言わないようにしてます😅

読ませていただきました
初コメントです
案外Aみたいな人って、嘘ついてるうちに、自分でも見えてるって信じ込むのかもしれませんね。
女の人も、彼女には一応見えてて。
害がないうちはいいけど、巻き添え食うのは勘弁かな

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