中編3
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森の中の建物

森の中散歩してたら迷ってしまった。

泣きそうになりながら出口探してたら変な建物のあるトコにたどり着いた。

めっちゃ古い変な建物だった。

お堂の様な建物で、色んな所がネジネジネジネジして、壁に竹がいっぱい刺さってった。

明らかにヤバそうなアレな雰囲気だった。

すぐに立ち去ろうかっ思ったら、急に超雨が降ってきた。

俺は雨に濡れるのが嫌いだったので仕方なく変な建物に避難。

建物に近づいてみると更に強烈な感じだった。

ずっと雨が止むのを待つのもアレなので、とりあえず建物を観察してみた。

まず、くさかった。めっちゃカビくさかった。

ネジネジ部分は近くで見ると更に意味分からないくらいネジネジだった…

壁にささってた竹は数えてみると40数個あった。

で、竹にはポツポツと人工的に開けたような穴があった。

竹の尻の方に紙がねじ込んであって、取ってみようと思ったが、さすがにヤバイ気がしたのでやめた。

扉みたいな所にお札がついてた。

変な字と変な模様、真ん中の方には「A」みたいな形の絵が書かれていた。

扉には木の棒で鍵が付けられとった…。

でも横の方にデカい穴があったので、そこから中を覗いてみた(さすがに中に入る勇気はない)

暗かったので持ってたライトで中を照らすと…

建物の奥の方に仏像が見えた。

何の仏像かは知らないが、首と左腕のない仏像だった。

長い事放置されていた様子だったから、首と左腕は何かの拍子で落ちたのか? と最初は思ったけど

アレは、「最初から首と左腕がないように作られた」ような感じだった。

それ以外に建物の中には特に物はなかった。

それで、フと天井の方にライトを向けると

おびたたしい数のお札が貼ってあった。

お札は一つ一つ別の模様?で、隙間がないくらい天井にびっしりと張り付いてた。

それはもう異様な光景だった…。

何十秒か固まっていると パサッ…、と俺の近くに何かが落ちてきた。

ソコにライトを向けると、それはお札だった。

パサッ…、今度は別の場所に何かが落ちてきた。

また、お札だった。

パサッパサッパサッ…建物の中の色んな所から何かが落ちる音…

それは全部お札だった。

天井からお札が落ちてきてる…急に。

パササササッ…お札がどんどん天井から落ちてくる…。

「さすがにヤバイこれはヤバイ」

そう思った俺は雨に濡れるのも構わず、建物から走って出て行った。

それから何分か森の中を走っていると、なんとか森の出口にたどり着く事が出来た(入った所とは別の場所だけど)。

雨はいつの間にか止んでいた。

無我夢中で走ってたので服はボロボロになっていた。

そこに通り掛かった知らんオッサンが俺のボロボロな姿を見てか話しかけてくる。

とりあえず俺は森の中の建物での出来事をそのオッサンに話した(とにかく誰かに話したかった)。

俺の話を聞いたオッサンは急に青ざめてそそくさと立ち去って行った。

「何だよ…」と少々嫌な気分になったけど、オッサンの様子を見て、

「もしかして俺、やばい事した?」と不安になってしまった。

震える足で家に帰り服を着替えた後、俺は近所の物知りのジーサンの所へ向かった。

そのジーサンは本当に物知りだったので、何か知ってるんじゃないかと思ったからだ。

で、物知りジーサンに森での事を話すと、ジーサンはうーん…と考えた後、真面目な顔で

「何も知らない方がいい、ソレを知ったらお前はもう後戻り出来なくなる。」と言った。

俺は「やっぱりヤバイ所だったのか…」と泣きそうになった。

そして、ジーサンは

「あそこにはもう行っちゃあいけんぞ。

 それと、これから10年の間、絶対にこの町から引っ越すな。」と言った。

俺はジーサンに「何で?」と聞いた。ジーサンは

「念のためだ。あの建物の中には入らなかったんだろう?

 それなら大丈夫かもしれんが…それでも、念のため…だ。

 お前は久しぶりの『客人』だからなぁ…。選ばれて、試されてるかもしれんからな。」

俺はそれ以上は聞かなかった。

それからもう2年たってる。

引越しはしてない、俺自身にも別に何も起こってはいない。

とりあえず皆は慣れない場所で散歩するなっつー事だよ…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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